バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

東トルキスタン、大陸中国西北

ウルムチ-3 ~歴史と哀愁の楼蘭美女

2002年7月31日

中心街の北にある東トルキスタンの中心的博物館(中国名『新疆ウイグル自治区博物館』)は、表から見ると工事中だったが、展示は奥の方で行われていた。通常時に比べれば展示物は少ないのだろうが、主だったものは揃っている。 いにしえの東トルキスタンをしのばせる遺物も興味深かったが、私を最も引き付けたのは、楼蘭美女などのミイラだった。装飾品などから当時の風俗が分かるのみならず、生前の面影までも容易に想像できる。トルファン博物館でミイラを見た時は、そればかりがずらりと並べられるという展示方法もあって、グロテスクな印象ばかりが先立ったが、ここで見るミイラには、歴史と、そして哀愁に似たものが感じられた。

午後、バザールでも見に行こうとバスに乗っていると、ある光景が目に飛び込んできた。私は思わず下車して、その光景のよく見える歩道橋に上ってみた。
ウルムチの街並みと雪山
ウルムチの街並みの
向こうに見える雪山
ビルが建ち並ぶ街並みの向こうに、雪山が見える。方角は東 ―― 恐らくボゴダ峰だろう。近代的な街と大自然の、一見アンバランスな組み合わせだが、それを不自然と思わせない何かが、ここ東トルキスタンにはある。

それから徒歩でバザールのある場所へ赴いたが、カシュガルの日曜バザールとは比較にならない程、店は少なく、ひっそりとしていた。
後になって新聞を読んで知ったのだが、ちょうど前日に、消防安全の基準を満たしていないということで、一挙に79もの露店が撤去されたという。賑わいを見ることができなかったのは残念だが、このことは中国における安全意識の向上の裏返しとも言えるのかもしれない。

この日の昼食には、シシカバブやラグメンと並ぶ東トルキスタン名物・ポロを頂いた。米を羊肉や野菜などと一緒に煮込んだもので、東トルキスタン風ピラフ、といったところであろうか。
しかし、一口食した途端、私の苦手な味が口の中に広がった。やはり東トルキスタン名物の、干しブドウである。勿体無いので何とか平らげたが、その後1時間ほど、口の中に干しブドウの後味が残ってしまった。

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