世界への旅(旅行記)
黄山前山 ~霧、晴れたりかかったり
前山への道を求めてうろうろしていると、若い中国人の一団が休んでいる所に行き着いた。彼らは私を少しばかり見た後、声をかけてきた。「Hellow!」
「え、何で外国人だって分かったの?」「うーん、何となく」
私が中国語を話すことに少々驚きながらも、外国人に興味津々といった彼らは、
私が前山を目指していることを知ると、誰からともなく「一緒に行こう」と言い出した。道が分からなかったことと、1人での山歩きが精神的に辛かったことから、私は一も二も無くこの提案に同意。中国語会話を楽しみながら、再び山道を歩き出した。
「え、何で外国人だって分かったの?」「うーん、何となく」
私が中国語を話すことに少々驚きながらも、外国人に興味津々といった彼らは、
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| 一瞬だけ晴れ渡った黄山の景色 |
途中、先程も通り掛った夢筆生花を一望できる展望台に目をやると、来る時の濃霧が嘘のように、晴れ渡った景色が眼前に広がっている。周囲の観光客はここで一斉に記念写真を撮り始め、私も写真を撮った後「運が良くなければ見ることができない」と言われる黄山の晴天の景色に酔いしれた。
若者たちは、私が先程通ってきた道をずんずん戻っていく。結局、ロープウエー駅のある白鵞嶺(前頁地図(3))まで来てしまった。
うかつだった。ここには案内図があったではないか。道が分からない時は案内図のあるところに行け、という鉄則を完全に忘れていた。しかし、道に迷ったお陰で彼らと知り合うことができたのだから、いいことにしなければ。(そう言えば、冬に雲南に行った時もそんなことがあった)
1860mある黄山で2番目の高峰・天明頂(前頁地図(5))に着く頃には、せっかく晴れた霧も再び濃くなっていた。ここは雲海の景色が有名らしいのだが、自身が雲の中にいる状況では、それを見下ろすことなど到底できない。眼下の景色どころか、周囲の景色もかすんでいる状況下「絶壁深淵 注意安全」の立て札が、妙に説得力に満ちている。
この分では、黄山最高峰の蓮花峰の景色も良くないだろう。道に迷って余計な時間を食ってしまったことだし、そこにいくことは諦めて、右手に飛来石を眺めたり、時には恐ろしく急で狭い階段を下ったりしながら、私たちはそのまま下山ルートを進んだ。
若者たちは、私が先程通ってきた道をずんずん戻っていく。結局、ロープウエー駅のある白鵞嶺(前頁地図(3))まで来てしまった。
うかつだった。ここには案内図があったではないか。道が分からない時は案内図のあるところに行け、という鉄則を完全に忘れていた。しかし、道に迷ったお陰で彼らと知り合うことができたのだから、いいことにしなければ。(そう言えば、冬に雲南に行った時もそんなことがあった)
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| 黄山でも特に傾斜の急な階段 | 霧の中の飛来石 |
1860mある黄山で2番目の高峰・天明頂(前頁地図(5))に着く頃には、せっかく晴れた霧も再び濃くなっていた。ここは雲海の景色が有名らしいのだが、自身が雲の中にいる状況では、それを見下ろすことなど到底できない。眼下の景色どころか、周囲の景色もかすんでいる状況下「絶壁深淵 注意安全」の立て札が、妙に説得力に満ちている。
この分では、黄山最高峰の蓮花峰の景色も良くないだろう。道に迷って余計な時間を食ってしまったことだし、そこにいくことは諦めて、右手に飛来石を眺めたり、時には恐ろしく急で狭い階段を下ったりしながら、私たちはそのまま下山ルートを進んだ。
しばらく歩いて、前山のロープウエー駅のある玉屏楼に到着。
その近くには、黄山を紹介する写真に一番よく使われている迎客松・送客松があるのだが、やはり霧によってその景色は台無しにされている。
「私たちはここからロープウエーに乗るけど、どうする?」中国人の若者たちが私に尋ねる。
前山の景色は後山の景色よりもいいと聞く。もしかしたら霧が晴れて、いい眺めを見ることができるかもしれない。未だに黄山の景色に満足していない私は、名残惜しいがここで彼らと別れて、再び単身、徒歩で山を下りることにした。
私の思惑はずばり当たった。さっきまでの霧が、完全にとは言わないまでも、見事に晴れて、灰色の岩の山肌と松などの木々の緑が美しい黄山の景色が、露わになった。最後の最後に、黄山は私を満足させてくれた。
「私たちはここからロープウエーに乗るけど、どうする?」中国人の若者たちが私に尋ねる。
前山の景色は後山の景色よりもいいと聞く。もしかしたら霧が晴れて、いい眺めを見ることができるかもしれない。未だに黄山の景色に満足していない私は、名残惜しいがここで彼らと別れて、再び単身、徒歩で山を下りることにした。
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| 黄山屈指の景色(のはず)の迎客松一帯 | 山道を下りながら眺める前山 |
午後4時、慈光閣の山門に到着。7時間に及ぶ黄山登山が終了した。
屯渓行きのバスが出ている温泉口までは、乗り合いタクシーに乗る。
「黄山はどうだった?」。運転手の問いに、同乗していた中国人が「良かったよー」と答える。「そうかい、そりゃ良かった」と運転手が言うと、彼らは再び答えた。
「本当のことを言うと、良くなかったよ! 霧ばっかりで」
とは言うものの、彼らの口調は決して、不満たらたらというものではなかった。恐らく、私と同じ心境だろう。霧は残念だったが、黄山を訪れたこと自体には十分満足だった、と。
屯渓行きのバスが出ている温泉口までは、乗り合いタクシーに乗る。
「黄山はどうだった?」。運転手の問いに、同乗していた中国人が「良かったよー」と答える。「そうかい、そりゃ良かった」と運転手が言うと、彼らは再び答えた。
「本当のことを言うと、良くなかったよ! 霧ばっかりで」
とは言うものの、彼らの口調は決して、不満たらたらというものではなかった。恐らく、私と同じ心境だろう。霧は残念だったが、黄山を訪れたこと自体には十分満足だった、と。








