バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

海南島

三亜・4 ~高台から見る海辺の街

2006年5月5日

三亜市街西の海岸から1kmも離れていない場所に、三亜河が 流れている。この川は海岸線とほぼ平行に街中を流れており、海岸側と中州を結ぶ三亜橋を過ぎた所で、大きく右にカーブして南シナ海に注いでいる。
三亜河の河口近くに並ぶ舟
三亜河の河口近くに並ぶ舟
三亜大橋から河口に近いそのカーブ部分を眺めると、多くの小舟が水面に停泊している。中州を横断して更に潮見橋から眺めても然りだ。以前香港に行った時に見た、香港仔を思わせる風景である。
香港仔の舟は水上生活者が暮らす家代わりのものだった。 もしかしたら、これらの舟にも水上生活者が暮らしているのかもしれない。

潮見橋を大東海側に渡り切った所に、鹿回頭広場があるが、ここはそれ程楽しめる場所でもない。
三亜の“鹿回頭”と言えば、やはり大東海側西の山の上にある、鹿回頭公園だ。

鹿回頭公園まで行くバスは無いので、タクシーを拾う。
タクシーの運転手に「どこから来た?」と聞かれたので、「大連から来た」と答えた。(この運転手、最後まで私が外国人だとは気づかなかったようである)
「大連か! 実は今年の春節に大連へ行こうかという話があったんだけど、気温が零下15度と聞いて行くのをやめたんだ。俺は根っからの海南人だから、そんな寒さ耐えられないよ」
確かに、大連の冬は寒い。南方の暑さに慣れた人にはかなわないことだろう。

鹿回頭公園の鹿の像
鹿回頭公園の鹿の像
鹿回頭公園から望む三亜市街
公園から望む三亜市街

“鹿回頭”というのは、鹿が振り返るという意味である。山全体がそういう形をしているらしい。
黎族の伝説によると、鹿狩りを命じられた黎族の若者がこの地で鹿を追い詰めたところ、その鹿が若者の方を振り返ったかと思うと美しい人間の女性に姿を変え、若者はその女性と結婚し、暴虐な領主を倒して黎族の村を作ったという。
そんな伝説も興味深いが、この公園ではやはり高台から見た三亜の風景だ。海と川に挟まれた独特の地形がよく分かる。
私が宿を取っている大東海は、残念ながら建物に阻まれて全景を見ることはできなかった。しかし、あのビーチはやはり遠くから望むよりも、目の前にする、もしくは海の中に入ってこそ真価が分かるというものだ。

景色を満喫したところで、山を下りる。
公園と公園入り口はトロッコで結ばれていて、行きはゆっくりだが、帰りはジェットコースターのような勢いで一気に下る。
眼鏡が飛ばされないかと、少しひやひやした。 夕刻の大東海
夕日に染まる大東海の空

輪タクで鹿回頭公園から大東海に戻る。

明日には海口に戻るのだが、少々鼻炎気味だったので、残念ながら三亜最終日を海水浴で楽しむのは控えることにした。
しかし、ここのビーチは眺めているだけでも十分に楽しむことができる。

やがて、大東海の空が夕日に染まっていく。
三亜では天気に恵まれた。夕方になってもスコールに見舞われることなく、こうして夕焼けを見ることができたのは、本当に幸運だった。

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