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世界への旅(旅行記)

北京とその周辺

司馬台長城 ~“天然”の長城(2)

2007年2月20日

金山嶺長城を歩くこと2時間。正午ごろに、右手に「ここから司馬台長城」という看板が見えた。いよいよここからが、以前から訪問を熱望していた司馬台長城である。

司馬台長城
司馬台長城

金山嶺長城から一続きになっているだけあって、暫くはその傾向も継続した。階段が磨り減った部分、壁が崩れ落ちた部分が少なからず見受けられる。
傾斜も決して緩やかではない。 しかし、金山嶺長城に比べれば少しは和らいでいた感があり、それに私が歩く方向では上り坂が少なくなったのが幸いだった。
司馬台長城
吊橋の東には急傾斜の長城が

やがて、下りがずっと続く場所に差し掛かり、目の前に川が見えてきた。長城はそこで一端途切れ、川の向こうで再び始まっている。その川の向こうの長城が、また恐ろしいほどの急傾斜である。
絶景である。しかし、見るだけと歩くとでは話が変わってくる。出口に辿り着くには、吊橋を渡ってその急傾斜の途中まで歩く必要があるようなのだ。

急傾斜は吊橋を渡った直後から始まった。長城までの石段はまだよかったが、長城本体に辿り着いた後から、また"歩くというよりはよじ登る"必要のある傾斜が始まった。
もう体力的に限界のところを、必死で階段をよじ登り、ようやく出口に到着。思いの外に気温が高く、結構汗をかいたこともあって、出るなりビールを買ってあっという間に飲み干してしまった。
後は私たちをここまで運んでくれたバスに戻るだけだったが、その出口から駐車場までがまた遠い。下り坂ばかりだったものの、私の疲れ切った脚にはそれさえ苦痛だった。
ようやく駐車場に到着。長城を歩いている間は食料など売っておらず、迂闊にも食料を持ってきていなかった私は、ここでようやく、遅めの昼食にありつくことができた。(体力を消耗するので、チョコレートか何かを持っていった方がよい)

実に疲れた ―― しかし、"天然の長城"をこの目で拝み、自ら足で歩いたことに対する満足感に勝るものは無い。
長年憧れ続けてきた司馬台長城 ―― この広大な中国の景勝地の1つにすぎないにも関わらず、ここに到達したことで、私の胸には一種の達成感が湧き上がっていた。
京劇の名作・覇王別姫
京劇の名作・覇王別姫

遠東YHに戻った頃には夕刻になっていた。
日中の全てを金山嶺・司馬台長城のために費やしたことになるが、夜は夜で、オールド・ペキンを楽しむことができる。京劇だ。梨園京劇場のある前門建国飯店が遠東YHのすぐ近くにあったこともあり、ふらりと出かけてみた。

この日の出し物は、「覇王別姫」と「十八羅漢闘悟空」。特に「覇王別姫」は、劉邦と戦っていた楚の項羽が"四面楚歌"の状況に陥った際に妻の虞姫が自刃する場面を描いた、京劇の名作である。一度見てみたかったので、この日上演されたのは幸運だった。
歌と剣舞が見ものの1作目と、アクションが見ものの2作目 ―― この2作で、北京の伝統芸能の醍醐味を存分に味わうことができた。

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