バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第3部 チベット

ダム ~陸路で国境越え ネパールへ

2007年7月22日

ダムの街
斜面の上につくられたダムの街
この日はいよいよ国境越えである。その前にしなければならないことがあった。両替だ。5人でダムの街中にある銀行を訪れたが、時間が早すぎてまだ空いていない。そこで個人で行っている闇両替を利用することにした。
他の4人は手元に残った現地通貨をネパールルピーに替えていたが、私は現地通貨がほぼゼロになっていたので手持ちの50米ドル札を両替する。
"闇両替"を利用する場合には、交渉術が必要になってくる。銀行とは違い、実際よりも悪いレートを使ってくるので、折り合いのつくところまで粘らないと馬鹿を見ることになる。私は交渉の結果、言い値から100ルピーほどの上乗せに成功し、3250ルピーに替えてもらった。

ダムの街は斜面の急な山腹の上につくられた街である。チベットの街らしくマニ車が安置された廟やタルチョのある風景が見られる。先月訪れたチベット東南部のジョルとよく似た雰囲気が感じられる。
コダリの街が見える
谷間に小さくコダリの街が見える(矢印)
谷の方へ目を移してみると、はるか下の方に、小さく街のようなものが見える。間違いない。あれが今から目指そうとしているネパール側の国境の街・コダリだ。しかし、思っていた以上に遠そうだぞ。私たちは歩いてコダリまで行こうと考えているのだが、幾ら下り坂ばかりだとはいえ、大丈夫だろうか。

準備は整った。11時すぎ、いざダムの国境ゲートに向かう。
出国手続きはごく普通で、旅行許可証も何も必要なかった。やはり、旅行許可証はダムに入った時点でお役御免だった可能性が高い。
ダムの国境ゲート
ダムの国境ゲート
さあ、いよいよ私にとっては、初の海外旅行だった1991年の香港-中国・深圳以来2度目となる陸路による国境越えの始まりだ。
当初の予定通り、私たちは徒歩でコダリへと下る坂道を進んだ。
しかし、やはり思っていた以上に距離がある。
直線距離だけでも結構ありそうなのに、道はヘアピンカーブの連続だ。早くも最初の急カーブで、2リットルのペットボトル3本を抱えていた私が音を上げた。ペットボトルはヨージ・ナナが分担してくれて少し楽になったが、メンバー全員「このまま歩いて行くのはかなりきついのではないか?」と考え始める。

コダリへの下り坂
コダリへの下り坂を歩く
ルート確認中
ルート確認中(撮影・ナナ)

メンバーの1人が持っていたガイド本でルートを確認してみる。どうやらこの地点から山の斜面をショートカットする道があるようだ。その道を見つけたサトコが早速下り始めた。
しかし見たところ、傾斜が急で足場も悪く、バックパックを背負って歩くにはかなり危険そうである。残る4人の間では、車を拾って行った方が無難だという意見で固まってきた。
「この道行くのやめましょう! 危険すぎますよ!」
リョウコの呼びかけにサトコも戻ってきた。
ダムのイミグレーションを越えたところで「車に乗らない?」と呼び掛けられたのを振り切ってまで徒歩にチャレンジした私たちにとって、ほんの序の口で諦めてしまうのは実に口惜しかったが、無理は禁物だ。私たちは下ってきたワゴン車を拾って“友好橋”と呼ばれるチベット-ネパール国境に架かる橋の手前まで乗せてもらった。

<後日談>
その後、カトマンズでラサ以来の再会を果たしたワタルの話によると、彼らは見事この道を徒歩で歩き切ったという。上記のショートカットもバックパックを背負って下りたとのことだが、その際、メンバーの1人がヒルの被害に遭ったようだ。

友好橋の入り口でパスポートチェックを済ませ、橋の上を歩く。
中央辺りに来たところで、橋の上にうっすらと線が引かれている ―― これこそまさしく、チベットとネパールの国境線である。
この線を跨いだ瞬間 ―― 私たちは1秒前とは違う国に足を踏み入れていた。

さらば、チベット…
そして、初めまして、ネパール…

ここからは久々の、未知の国である。

「第4部 ネパール」に続く

≫ チベット巡り総括

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