バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第4部 ネパール

カトマンズ・7 ~パシュパティナート

2007年7月27日

生まれてこの方触れたことの無いヒンドゥー教に、ネパールに入って初めて触れたということは前にも書いたが、ダルバール広場あたりをうろついていただけではそのほんの表面的な部分しか見ることはできない。ネパールで最もヒンドゥー色の濃い場所が、カトマンズ市街の東にある寺院・パシュパティナートだ。
タメルからはちょっと遠いので歩いて行くのは骨なのだが、どこからバスに乗ればいいかが分からなかったので、すっかり単独行動になってしまったのをいいことに、いつも通り歩いて行ってしまった。
パシュパティナート門前広場
パシュパティナート門前広場。門の向こうは
ヒンドゥー教徒以外お断り

カトマンズの周りを周回するリング・ロードの東側に出たところで、ちょっと分かりにくかったがパシュパティナートへの道の案内板を見つけ、それに従って歩いて行くと、人が大勢集まるパシュパティナートの門前街に着くことができた。
お布施を要求してくる物乞いに等しい修行者たちがたむろする門前街を抜け、門前広場へ。しかし、寺院内部に入れるのはヒンドゥー教徒だけだ。異教徒はその裏手に回ってバグマティ川の向こうから寺を眺めるだけとなる。しかし、この裏手からの風景だけでも異教徒の興味を十分にそそってくれる。

この寺院はさながら、ネパール版バラナシ(インド)といったところだ(この当時バラナシはまだ到達していなかったが、以前にテレビの映像で見たことはあった)。バグマティ川はインドの聖なる河・ガンガー(ガンジス川)へと続いており、下流同様神聖なものとされている。川辺ではきれいとは言い難い水であるにもかかわらず沐浴する人々もいれば、すぐその横では火葬が行われていて、遺体を焼く煙がもうもうと上がっている。生も死も取り合わせて、"宗教"或いは"聖"の儀式が執り行われている格好だ。

バグマティ川で沐浴する人々
バグマティ川で沐浴する人々
パシュパティナートでの火葬
その横で火葬が行われている

「ここの火葬は写真を撮っても大丈夫ですよ」
そう。バラナシでは火葬の写真を撮ろうものなら袋叩きの憂き目に遭ってしまいかねないのだ。それがここでは大丈夫らしい…
――  って、あんた誰だ? しかも日本語で。ガイドなら間に合ってるぞ。
その地元男性はいろいろと日本語で薀蓄をたれてくるが、私はそれを独り言扱いし、右の耳から左の耳にスルーさせていた(今にして思えばもう少ししっかりと聞いて覚えておけばよかった)。
案の定、語り終わったらガイド料を要求してきたが、私は「頼んでいない」と突っぱねた。
パシュパティナート門前広場
怪しげなサドゥーもいる
パシュパティナート門前広場
いたずらなサルーもいる

その他にも、バラナシの雰囲気を出しているものが幾つかある。例えば、長いひげを生やし、ガリガリに痩せた怪しげな修行者・サドゥー。それから猿も昨日の"モンキー・テンプル"以上に沢山いるが、この猿がご多分に漏れずいたずら者で、手帳を奪われた挙句、ボロボロにされてしまった参観客もいた。

寺の裏手にある小山にも宗教施設が建っているが、川の風景ほどヒンドゥーの色は濃厚ではない。
その小山を越えたところで参観は終了したが、ここにはまた時間があれば来てみたいな、と思った。ネパールに来て最もカルチャーショックを感じさせられたのがここだったからだ。

午後には昨日申請したパキスタンのビザが発給される。パキスタン大使館もリング・ロード沿いにあるのでそのまま歩いて向かった。
近くまで来たところで昼食にしたが、選んだメニューは、チベット式ギョーザのモモ。ネパールでは宗教ばかりでなく、料理ほかいろいろな方面でチベット文化との共通点がある。
チベット式のモモ
チベット式のモモ

※モモにはチベット式とネパール式(ネワール料理)があり、チベット式はギョーザのような、ネパール式は小籠包のような形している。

大使館でビザが貼り付けられたパスポートを受け取って帰ろうとしたところ、ワタルがいた。彼はこの日ビザの申請に来ていたようである。
気になったことがあったので尋ねてみた。
「日本大使館でレターを申請する時、厳しいこと言われなかった?」
「いえ、別に。すんなりと受理してくれましたよ」
それでは、昨日あんなに厳しく言われたのは何だったのだ? 窓口の職員が違ったのだろうか。それともチベット以来ひげを生やしていたせいで不審人物にでも思われたのだろうか。

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