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世界への旅(旅行記)

アジア周遊第4部 ネパール

ポカラ・3 ~白日の下のマチャプチャレ

2007年8月3日

この日も、早朝に曇り一時雨の天気だったものの、日中は青空が雲間から顔を出してくれた。しかし、アンナプルナ・ヒマラヤのある北の方向は、今日も雲で覆われている。
シヴァ寺院
シヴァ寺院

ムンシク、ワタルと、フェワ湖畔のシヴァ寺院を訪れる。ポカラに来た初日から何度も横を通り過ぎてはいた寺だったが、中に入るのはこれが初めてだった。
建物は大して立派でもなく、人も少なくひっそりとしている。この日は金曜日で集会が開かれると聞いていたのだが、時間を外してしまったのだろうか。仏教ではなくヒンドゥー教の寺院で私の信仰心もかき立てられない。テンションの低いまま、寺院を後にした。

その後、嫌なものに遭遇した。マオイスト(毛沢東主義者)どものデモである。
こいつらは実にタチが悪い。デモぐらいならまだしも、時にはバンダと呼ばれるゼネストを起こして無意味に道路を封鎖して運送・客運を滞らせることがある(被害者体験記)。
「マオの何がいいんだよ」
毛沢東を激しく嫌悪している私はつぶやいた。
「貧しいからじゃないんですか?」
ワタルが答えた。確かに、農業中心で決して豊かとは言えないネパールは毛沢東主義が受け入れられる素地があるのだろう(後に共和制が樹立された際にマオイストが最大会派になる程だった)。
しかし、大躍進の失敗や文化大革命など20世紀後半の中国に多大な混乱をもたらし、多くの人々を殺しただけの毛沢東の思想とそれに基づく政治を、私個人はどうしても受け入れられないし、理解できない。否、理解したくもない。

カトマンズで別れたタカシがこの日ポカラに到着予定とのことだったので、彼を出迎えに3人でツーリスト・バスパークを訪れる。
カトマンズからのバスを待ちながら他の2人が室内でネパール人たちと話をしている間、私は1人で山の方向を見守っていた。何か、見えそうな予感がしたのである。
私は完全に、山の景色を見ることにとり付かれていた。
マチャプチャレ
白日の下、マチャプチャレが顔を出した
そして、14時45分、雲の間から雪山の山肌が見えた。そしてみるみるうちに、一つの雪山が雲間から頂をのぞかせた。一昨日も見た、マチャプチャレ峰である。一昨日は夕暮れ時だったので、白日の下に見るのはこれが初めてとなる。
残念ながら、山頂が見えたのは15分程度。それに、他の山々は全く見えなかった。
しかし、この時期(雨季)に白日の下、ヒマラヤの雪山を見ることができたこと自体、幸運と言うべきなのかもしれない。

[これでよしとしなければ。次へ進もう]

私はポカラを後にする決意を固めた。

ところで、カトマンズからのバスは事故で道が封鎖されたためにが遅れに遅れ、結局この日タカシを迎えることはできなかった。

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