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        海外の旅行記とチベットのこと  by カズ@憧れの大地 

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第8部 カンボジア、ベトナム、ラオス

アンコール遺跡北東郊外 ~バンテアイ・スレイとクバール・スピアン

バンテアイ・スレイ
バンテアイ・スレイ
夜明けのアンコール・ワットから宿に戻って暫くしてから、また予め約束していたバイクタクシーで外出する。
行き先は、シェムリアップ北東40kmの場所にあるヒンドゥー遺跡バンテアイ・スレイ。先日ベンメリアで行動を共にしたヒロアキはじめ、多くの「他の遺跡とは違った雰囲気がある」と絶賛する声が耳に入ってくる場所だ。

バイクタクシーで1時間半。バンテアイ・スレイに到着する。
思いの外こじんまりとした遺跡で、初めは拍子抜けしたが、その規模の小ささが却って新鮮だ。アンコール・ワット等のものを縮小したような、小さいが均整の取れた三塔(真ん中のものが中央祠堂)、「ラーマーヤナ物語」等を描いたその塔や壁のレリーフなどは、小粒でもぴりりと辛い山椒のように存在感がある。

バンテアイ・スレイの三塔
バンテアイ・スレイの三塔
レリーフ
「ラーマーヤナ物語」を描いたレリーフ

バンテアイ・スレイの後、バイクタクシーのドライバーの勧めで、更に北東へ離れた場所にあるクバール・スピアンを訪れる。
意気揚々といざ出発 ―― クバール・スピアン
クバール・スピアンの水中遺跡
クバール・スピアン
自然をフルに活用している
しかし、バンテアイ・スレイを離れるとすぐ、それまでの舗装道路が消え、赤茶けた未舗装の道路が目の前に続く。おまけに、バイクが故障するわ、ドライバーが道を間違えるというプロらしからぬミスをするわで、ちょっと時間がかかった。

クバール・スピアンはこれまでとは違い、歩いて山の奥へと入っていくコースを取る。訪れる客も多くなく、この時は私ともう一人日本人女性がいただけだった。
山道を暫く歩いていると、幅数mの小川にたどり着き、少し奥へと進むと滝がある。このへんに遺跡があるはずだが?と探していると、係員が「こちらですよ」と私を促す。そちらに行ってみると、確かに50cmほどのカエルの像が地面に横たわっていた。更に上流に進むと、ヒンドゥー教の神や神話のレリーフ、彫刻、リンガ(抽象化されたシヴァの男性器)等が川岸に点在している。
クバール・スピアンには、他のアンコール遺跡に見られるような建造物は無く、これらの小さな遺物が残っているのみだ。更に、それらが天然の石に刻まれたものであることが決定的に違う。 自然と渾然一体となった宗教 ―― それは一種の、宗教の原始的な在り方だったのかもしれない。
説明をしてくれた係員にチップを、と思ってデイパックから財布を取り出して顔を上げてみると ―― 係員はもうそこから立ち去っていた。その後姿には「任務を遂行しただけだよ」という潔さすら感じられた。

帰り道、またバイクがパンク ―― また余計な時間を費やしてしまう。

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