バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第8部 カンボジア、ベトナム、ラオス

アンコール遺跡北東郊外 ~バンテアイ・スレイとクバール・スピアン

2007年10月24日

夜明けのアンコール・ワットから宿に戻って暫くした後、予め約束していたバイクタクシーでまた外出する。
次の行き先は、シェムリアップ北東40kmの場所にあるヒンドゥー遺跡バンテアイ・スレイ。先日ベンメリアで行動を共にしたヒロアキはじめ、多くの「他の遺跡とは違った雰囲気がある」と絶賛する声が耳に入ってくる場所だ。
バンテアイ・スレイ
バンテアイ・スレイ

バイクタクシーに揺られて1時間半。バンテアイ・スレイに到着する。
思いの外こじんまりとした遺跡で、初めは拍子抜けしたが、その規模の小ささが却って新鮮だ。アンコール・ワット等のものを縮小したような、小さいが均整の取れた三塔(真ん中のものが中央祠堂)、「ラーマーヤナ物語」等を描いたその塔や壁のレリーフ、デバター(女神のレリーフ)などは、小粒でもぴりりと辛い山椒のように存在感がある。また、寺院全体が赤みがかっているのも今までの遺跡とは趣を異にしている。
バンテアイ・スレイは「女の砦」を意味しているという。言われてみると確かに、赤みがかった色彩や緻密なレリーフは、どこか女性的な印象を受ける。

バンテアイ・スレイの三塔
バンテアイ・スレイの三塔
レリーフ
「ラーマーヤナ物語」を描いたレリーフ

バンテアイ・スレイの後、バイクタクシーのドライバーの勧めで、更に北東へ離れた場所にあるクバール・スピアンを訪れる。
意気揚々といざ出発 ―― しかし、バンテアイ・スレイを離れるとすぐ、それまでの舗装道路が消え、赤茶けた未舗装の道路が目の前に続く。おまけに、バイクが故障するわ、ドライバーが道を間違えるというプロらしからぬミスをするわで、ちょっと時間がかかった。

クバール・スピアンはこれまでとは違い、歩いて山の奥へと入っていくコースを取る。訪れる客も多くなく、この時は私ともう一人日本人女性がいただけだった。
クバール・スピアン
クバール・スピアンの水中遺跡
クバール・スピアン
自然をフルに活用している
山道を暫く歩いていると、幅数mの小川にたどり着き、少し奥へと進むと滝がある。このへんに遺跡があるはずだが?と探していると、係員が「こちらですよ」と私を促す。そちらに行ってみると、確かに50cmほどのカエルの像が地面に横たわっていた。更に上流に進むと、ヒンドゥー教の神や神話のレリーフ、彫刻、リンガ(抽象化されたシヴァの男性器)等が川岸に点在している。
クバール・スピアンには、他のアンコール遺跡に見られるような建造物は無く、これらの小さな遺物が残っているのみだ。更に、それらが天然の石に刻まれたものであることが決定的に違う。 自然と渾然一体となった宗教 ―― それは一種の、宗教の原始的な在り方だったのかもしれない。
説明をしてくれた係員にチップを、と思ってデイパックから財布を取り出して顔を上げてみると、彼はもうそこから立ち去っていた。その後姿には「任務を遂行しただけだよ」という潔さすら感じられた。

帰り道、またバイクがパンク ―― また余計な時間を費やしてしまう。

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