バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

韓国、モンゴル

ウランバートル-6 ~日本人墓地跡

次に目指す日本人墓地跡へのアクセスは、先述のガイド本によると、

ダンバダルジャー寺院沿いに、小山の西側の坂道を約20分歩くと、なだらかな斜面に日本人墓地跡の慰霊碑が見えてくる。
とのことである。
しかし、ダンバダルジャー寺院西側の道に出てみるが、坂道は見当たらず、平らな道があるだけだった。
私は「坂道」という言葉を頼りに、小山の斜面に見えた狭い坂道をずんずん上っていった。
尾根の上から見下ろすゲル村落
尾根の上から見下ろすゲル村落
ところが、20分以上経ってもそれらしきものは見えてこない。そのまま勢いで尾根まで上ってしまったが、眼下にはダンバダルジャーのゲル村落が見えるだけで、やはり慰霊碑のようなものは全く見当たらない。
[もしかしたら・・・]
私はあることに思い当たり、急いで山を下りた。

山を下りたところで、今度は寺院西側の平らな道を先へと歩き始めた。
途中、右手の一段高くなった所に犬の姿がちらりと見えた。しかし、何か様子がおかしい。その側を通り過ぎた時、私はそこに見えた光景に背筋を凍らせた。
その犬は、死んだ別の犬の肉をむさぼり食っていたのである・・・。
まさしく"共食い"だった。
これまで、旅は結構してきたが、こうした自然界の厳しさを痛感するような光景にはついぞお目にかかったことがなかった。所詮私の旅も、人の手が加わった所ばかり巡り歩いてきたぬるい旅にすぎなかったのである(この光景を目にした場所も人の手が加わった所ではあるが・・・)。

そんな嫌な光景を見ながらも、私は道を歩き続けた。そしてやがて、進行方向に見える山の裾に大きな建造物が見えてきた。
[間違いない  ――  あれだ!]
疲れた体に再び元気がわいてきた。最後に割と急な坂を上り、ようやく慰霊碑の前にたどり着いた。
日本人墓地跡
日本人墓地跡に建つ慰霊碑
 ――  何が「小山の西側の坂道」だ。最後以外はほとんど平坦だったじゃないか。
この日はいい加減なガイド本の記述に振り回されっ放しだった。
まあ、それは置いておくとして、肝心なのはこの慰霊碑のことである。
ここはかつて、モンゴルの地で死んでいった旧日本兵の遺骨835柱が埋葬されていた墓地だった。先ほど訪れたダンバダルジャー寺院内の霊堂はここに埋葬されていた人々の慰霊のためのものだということだ。
遺骨は既に日本政府によって回収され、現在ここには慰霊碑と記念堂があるのみだ。生憎、やはり元日だからか、慰霊碑の門は固く閉ざされていた。しかし、慰霊のお祈りをするだけなら外からだけでも十分である。私は先ほどに続いて、この地で無念の死を遂げていった同朋たちに祈りを捧げた。

霊堂にせよ墓地跡にせよ、日本人として何が何でも訪れたい場所だった。余計な動きがあって時間を浪費してしまったが、何にせよ見つかって本当に幸いだった。
既に夕日がモンゴルの大地を赤く染めていたが、ウランバートル中心部にはどうにか暗くなる前に戻ることができた。

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