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世界への旅(旅行記)

ギリシャ、カタール、香港

香港-2 ~プロムナード、ビクトリア・ピーク

そのままネイザン・ロードを南へと進んでビクトリア湾に出る。
土曜日のプロムナードには実に大勢の人々が集まっていた。内外からの観光客が一番多いが、その他にもジョギングをする人、似顔絵を描く人、観光客相手に写真撮影の商売をする人、愛を語らう恋人たち ―― さまざまな人が、さまざまな目的で、夕刻のこの一時を過ごしている。

香港・プロムナードの似顔絵描き
プロムナードの似顔絵描き
香港島の眺めを楽しむカップル
香港島の眺めを楽しむカップル

陽が西へと傾き、空が、ビクトリア湾が、対岸の香港島が、ピンク色に染まっていく。5度も訪れている香港だが、夕陽に染まるビクトリア湾というのは初めて見る気がする。
夕陽に染まるビクトリア湾
夕陽に染まるビクトリア湾

この日の空は、雲が少なくよく晴れている。これなら、いい夜景を見ることができるだろう ―― 私は飽きもせず、ビクトリア・ピークに向かうことにした。
それにはまず、香港島に渡らなければならないが、幸いにもビクトリア湾の渡し船であるスター・フェリーの乗り場はすぐそこだ。
乗り場に行ってみると、中国共産党にカルト扱いされて迫害を受けている法輪功が壁新聞等を貼り出して反中国共産党キャンペーンを展開していた。中華人民共和国に返還されたとはいえ、香港にはまだ自由が生きているのだ。

スター・フェリーで対岸の中環へ。ビクトリア・ピークはもうすぐそこなのだが、
[まだ明るいから急ぐ必要はない]
と、のんびり構えてフラフラと歩きまわっていたらいつの間にか上環まで来てしまった。
[あれ? ここからどうやって行けばいいんだっけ…]
幾ら歩き慣れた街とはいえ、地図も何も持たずに出歩いてしまったのは失敗だった。ビクトリア・ピークへの道が分からなくなってしまった。
[行き方が分からない時は…]
もはや、「タクシーは無駄遣い」と冷たく切って捨てる考え方は、昨日のギリシャ巡りで無くなっていた。金よりも時間の無駄遣いの方こそ致命的である。私はタクシーを拾ってビクトリア・ピークへの足であるピーク・トラムの乗り場に行ってもらった。
ピーク・トラム乗り場には長蛇の列
ピーク・トラム乗り場には長蛇の列
ピーク・トラム乗り場には長蛇の列
今回見た香港の夜景はいまひとつ

しかし、この日は土曜日 ―― ピーク・トラム乗り場は呆れるほどの長蛇の列ができていた。
列に並んでゆっくりと進むこと約30分。ようやくピーク・トラムに乗車。ケーブルカーの車窓から見える風景は、既に完全な漆黒の闇の中に浮かぶ夜景となっていた。

頂上に建つ展望台・ピークタワーは来る度にショッピングモール色が強くなっている。ショッピングはどうでもいい。とにかく、夜景の見える場所を求めて歩き回った。
しかし、ようやく見つけた展望ポイントから見える夜景は、どこかもの足りない。以前見た時(2004年2007年)に比べて華やかさに欠けるのである。

そうだった…

今日は土曜日だ。
営業しているオフィスが少なく、香港島のビルに窓の明かりが少ないのである。

せっかく長い待ち時間を費やしてピーク・トラムに乗ったというのに、これでは報われない。

教訓 : ビクトリア・ピークには土日・休日に上るものではない

消化不良のまま、ビクトリア・ピークを後にする。下りのピーク・トラムの乗車もかなりの待ち時間を費やさせられた。

山を下りたところで、さて、地下鉄はどこだったかな?とウロウロしながら探す。まあ、取りあえず海の方に行けば近づくだろう、と思いつつ中環の港に向かって足を進める、と、中国人(香港人、台湾人、大陸人の区別不明)の少女たちに北京語で声をかけられた。
「すいません。地下鉄の駅どちらだか分かりますか?」
「僕も知らない。僕も探しているところだよ」
尋ねる相手が悪い(笑)。外国人だよ。
それにしても、大陸中国と決別し、中国語を使わなくなってはや3年半以上になるが、まだこれくらいの中国語会話ならできるようだ。
廟街の夜市
廟街の夜市

ようやく地下鉄の駅が見つかり、宿のあるジョーダン(佐敦)に戻る。
宿の近くには夜市で有名な廟街がある。このへんには私の好物である煲仔飯(ボウチャイファン)という釜飯の店があるはずだが…同じ「廟街」でもエリアが違っていたことに当時は気づかず、見つからない。次第に煲仔飯にこだわるよりも空腹を満たすことの方が大切になってきて、結局ラーメンで済ませてしまった。

さて、4年ぶりの香港の1日目が終了。この日回ったのは…

ネイザン・ロード、重慶大厦、プロムナード、中環、ビクトリア・ピーク、廟街
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全部前に行ったことのある場所ばかりではないか!

これでは面白くない。明日の午前いっぱいまで時間があるので、どこでもいいから未経験の場所を開拓しよう。

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