バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

アルチ・チョスコル・ゴンパ

2011年9月24日

次は、バス発着所から見て逆の下る方向にあるアルチ・チョスコル・ゴンパに向かう。ゴンパ自体には先程既に訪れていたのだが、Lunch Breakに入っていたため、中を見るための最訪問となる。

しかし、堂の入り口は閉ざされているし、開けてくれそうな人も見当たらない。
「ジュレー」「Excuse me」
繰り返しながらウロウロしていると、境内中央のエリアで手を洗っている気難しそうな老僧がいた。
「中を見せて頂いてもよろしいでしょうか?」
そう言うと、老僧は黙って境内中央エリアのドゥカンの扉を開けてくれた。
「No Photo!」
拝観料を払う際、老僧は肩にカメラを掛けている私に釘を刺した。ここでは、例えNo Flashであろうと写真撮影は厳禁なのである。

この堂は手前の部屋と奥の部屋=ドゥカンに分かれていて、手前の部屋は壁に描かれたごく普通の仏画と、ドゥカンとの間を仕切る壁の中に仏像が安置されている。
そして、ドゥカン――先程見たトゥジェチェンポ・ゴンパのものに劣らない見事な曼荼羅に心を奪われる。そして、扉の枠部分に木彫りの彫刻が成されていたりもして、その芸の細やかさに驚かされる。

ドゥカンの参観を終えて外に出ると、今度は一番奥のエリアに促される。ここにはロツァサバ・ラカンとジャムヤン・ラカンという2つの部屋があるが、前者はこの時閉鎖されていて、見ることができたのはジャムヤン・ラカンだけだった。
ジャムヤン・ラカンには中央に4対のジャムヤン像が四方に顔を向けて安置されている。私は外の明かりに照らされている正面のジャムヤン像しかじっくり見なかったが、象やスノーライオン、ガルーダなどの小さな像があしらわれているのが印象に残った。壁はやはり、見事な曼荼羅や千仏画等で彩られている。

そして最後に、一番手前のエリアにあるスムツェクに促された。
201109240401.jpg
参観できた1階の壁には曼荼羅は無く(入ることのできない2階、3階には曼荼羅があるらしい)、千仏画が主だったが、ここで心を奪われたのは壁画ではなかった。
左・正面・右に安置された、高さ5メートルにも及ぶ立像が、この部屋の主役である。左のものは白、正面のものは黄色、右のものは橙色で全身を塗られている。その規模に圧倒されつつも、2階部分にはみ出ているご尊顔は穏やかで、心が休まる思いがした。そして、ここにも細かい部分の芸が――立像のズボン部分に、彩り鮮やかな仏画が描かれているのである。

いずれの部屋も、その芸術性の高さに舌を巻かれる思いだった。そして、これだけのものを見せつけられると信心の高揚も自ずから内面からわき起こってくる。エツコさんや吉田さんが強く勧めるのも良く分かる。
写真撮影が不可なのは、写真好きとしては少々残念だったが、これだけ素晴らしいものは現地でなければ見られない状態にしてこそ価値が上がるというものだろう。

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