バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

売店が無い!

2011年9月28日

カルシャ・ゴンパ、チューチグザル・ゴンパのほか、もう少し歩いた場所にあるゴンパにも訪れようと思っていたのだが、そうもいかない状況になってきた。

まずは、脚が張ってきたことである。
普段の私なら、1日20km程度歩いたところで全く平気なのだが、ゴンパの階段を計算に入れるのを忘れていたのだ。
脚ばかりではない。背中や肩まで張ってきた。こんなことは、これまで何度も長距離ウォークをしてきたが未だかつて無い。

これは恐らく、パドゥムに着くまでの3日間連続で、バスやトラックやジープで悪路を延々と移動したことの疲れが知らず知らずのうちに溜まっていたのだろう。たった一夜明かしただけでこの歩きは余りに無謀すぎた。

そして最悪だったのは、水が尽きたことである。
カルシャ・ゴンパ麓に売店があるという情報があったので、水はそこで買い足せばいいと思っていた。
確かに、売店は2件あった。
しかし、1軒目では、
「Finished(売り切れたよ)」
2件目では、
「ここには無い。あっちの店(『Finished』と言われた1件目)に行ってくれ」
と言われる始末である。

単に水というだけならそのへんに幾らでも流れている。しかし、インドで恐らくLocal Waterを飲んだせいで激しい下痢に見舞われたトラウマを持つ私には、どうしても川の水を飲む気にはなれなかった。小川の水はきれいでも、その水が流れ込む大きな川の水は白濁した奇妙な色になっているので、成分として何が含まれているか分かったものではない。

次の目的地では、売店など到底望めそうにもない――ザンスカールとはそういう所なのである。
水さえ補給できれば何とかできたかもしれないが、このまま余計に歩き続けるのは無理である。パドゥムに帰り着くのが限界だろう――残念だが、ここで引き返さざるを得なかった。

カルシャ側とパドゥム側を隔てる橋を渡る。その先は・・・
売店はおろか、家屋一つ見当たらない荒野である。
201109280401.jpg
左側の雪山の下に小さく見えるのがパドゥムの街

売店の他に、もう一つ「無い」ものがあった。パドゥム方面に向かう車である。これではヒッチハイクも無理である。
どうせ車が来ないなら・・・と、私は道なりに歩かず、荒野の中の最短距離を歩き出した。

渇く・・・
疲れる・・・

唯一の癒しは、目の前に連なる雪山の涼しげな景色だった。

カルシャ・ゴンパ麓から歩くこと2時間(どう考えても、6kmというのは直線距離としか思えない)――ようやくパドゥムに到着。そして、ここでようやく、ミネラルウォーターを売っている売店を見つけることができた。

繰り返しになるが、ザンスカールではパドゥムやカルシャ等を除き、売店と言うものの存在を期待してはいけない。ついでに言うと、売店があったとしても、ソフトドリンクの類は殆ど全く売っていない。
それでも現地の人々は、きちんと暮らしているのである。

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