世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

ダラムサラ(17)~ノルブリンカ

2011年10月12日

ガンチェン・キションに続いて、次はノルブリンカを目指す。ノルブリンカと言ってもチベット本土のラサにあるようなダライ・ラマ法王の離宮ではなく、チベット芸術の未来を担う若者らが修業・創作にいそしんでいる施設である。

ルンタ・レストランの貸本の中にあったガイド本の地図によると「ロウアー・ダラムサラから2km」と書いてあるので、それなら下りの行きだけでも徒歩で行けるかな、と考え、引き続きガンチェン・キションから歩いて取りあえずはチベットの雰囲気のかけらもないインド一色のロウアー・ダラムサラまで下った。
ところが、そのガイド本の地図がノルブリンカまでは載っておらず、バスターミナルを下った先の分かれ道で「はて、どちらの道か?」と方向が分からなくなってしまった。ここで歩いて行くのは諦め、渋々タクシー(180ルピーかかった。マナーリー~ダラムサラのバス運賃が280ルピーだったことを考えると余りに高すぎる)で目的地まで向かった。
――歩くのを諦めて正解だった。
何が「ロウアー・ダラムサラから2km」だ。タクシーでも軽く10分はかかる距離だった。

幹線道路からも外れ、細道を奥まで延々と進み、やっとのことで目的地に到着。入り口をくぐると、係員がガイドを申し出てきた。ガイドは無料なので、必ず案内してもらうこと。

門の先にはまず、中庭が広がっていた。タルチョ(五色の祈祷旗)あり、チョルテンあり、清流あり、竹の整った植え込みありで、実にさわやかな印象を受ける。
ノルブリンカの中庭
「ここは、日本人が設計したのです。Mr.Nakahara・・・」
何と、ルンタ・プロジェクトの中原一博氏の手によるものだった。

そして、ここに来た一番の目的である工房へと案内してもらう。

ジャンル別に分かれた幾つもの工房で、若者たちが真剣な目で創作に挑んでいる。

タンカを描く者
タンカを描く者

パッチワークのような布タンカを制作する者
パッチワークのような布タンカを制作する者

木彫をする者
木彫をする者

金細工を作る者
金細工を作る者

チベットの先人たちが積み上げてきた伝統に傷をつけないように継承するため、皆精進に励んでいる。

一番奥にはゴンパもあり(但し、僧侶はいない)、中には金色の大仏が安置されている。
ノルブリンカのゴンパ
「こちらで瞑想をしていってください」
と、ガイド氏から座布団を手渡された。瞑想のために座布団となれば、日本人としては当然、

――座禅

暫くの間、座禅で心を穏やかにした。

工房のほか、人形博物館もあり、チベットの文化などを人形を使ったジオラマ(と言ったら大げさかもしれないが)で表現している。こちらだけ有料で、参観料20ルピー。
人形博物館の展示

最後はショップに案内されて参観終了。そのショップの方は家具やら高級そうな衣服やらで私には無縁の世界。すぐに外に出て、再び中庭の風景を楽しみながら退場する。

帰り道は、行きにタクシーで180ルピーも使ってしまったことが悔しくてならず、幹線道路まで歩いてバスを拾い、ロウアー・ダラムサラのバスターミナル手前で乗り合いジープに乗り換えてマクロードガンジに戻る。帰りのマクロードガンジまでの交通費は15ルピー。行きのロウアー・ダラムサラ~ノルブリンカ間の僅か12分の1の料金でほぼ全行程を行くことができたのだ。

ノルブリンカは、今回のダラムサラ訪問で一番見応えがあり、印象に残る場所だった。
これだけ多くの人々が、これだけ真剣に伝統芸に打ち込んでいるのであれば、チベット芸術の継承は今後も安泰だろう。
しかし――それが彼らの故郷ではなく、亡命先でないと実現できないというのが、やはり悲しい。チベット文化は、故郷であるチベットで継承されてこそ初めて、チベット文化たり得るのだから・・・

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コメント(2)

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電気猫様

あそこにいる職人全員が一流の腕前でしたよね。道端のタンカ売りも彼らに負けていないですし。

今にして考えると、ああいう職人たちの里は、ちょっと人里離れた所の方が似合っている気がします。そう考えると、タクシーでないと行けないのも納得できます(笑)。

私はタクシーで行きました(笑
2枚目のタンカ絵師の彼は、私も写真を撮りましたよ。
あのタンカは、法王猊下にお見せするものだと言ってたので、どこかのゴンパにでも奉納されるんでしょう。
腕前も一流でしたね。

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