レー―マナーリー(2)
2011年10月 4日
バラトプルを出てから間もなく、バララチャ・ラ※を越える。高さは先程越えたナキー・ラと同じ4950m。同じ高さから下ってまた同じ高さまで上ってきたことになる。ご苦労なことだ。
このあたりからだったか、チョルテン(仏塔)やタルチョ(五色の祈祷旗)がまばらではあるが見られるようになる。再びチベット仏教圏に入ったということであろうか。
ダルチャで2度目のパスポートチェックを受けてから30kmほど走った後、割と大きな街が見えてきた。ケーロンである。田舎町なのだが、このコースを走っていて明るい間に見たのがテント村だけだった私の目には、かなり大きく感じられた。
見たところ、チベット料理の店やチベット人の村落もあるようだが、道端の祠などはむしろヒンドゥー教のものが目立つ。
ここで進路を南西から東へと大きく変える。40kmほど走ったところでコクサルに到着。ここで3度のパスポートチェックを受ける。
そして、ここでまたしても足止め。せっかくなので茶屋でチャイを飲んだ後、周りの景色に目を配ってみた。
すると、川の向こうにある村落のそのまた向こうの山肌に、ぽつんと1軒、ゴンパが建っているのが見えるではないか。村落の中にも、チョルテンが建っているのが見える。
チベット人の多いマナーリーに近づいている証拠だろう。
午後4時。足止めが解除され、ラストスパートへと走り出す。この先には最後の峠となるロータン・ラが待ち受けているが、標高3978mとこれまでのものよりも1000mも低い。
しかし、このラストスパートが過酷なものとなった。
峠を登る車窓の外には、山々が連なっている。そして、その山々の頂に雲がかなり厚くかかっているのが分かる。
そして、車がにわかに霧に包まれた。
いや、と言うより・・・
車が雲の中に突っ込んだのである。
勿論、空は全く見えなくなった。青い空がかけらも見えなくなるなんて、何日ぶりだろう・・・
見通しが悪くなった上に、これまでの舗装状態が嘘のように、道が土むき出しの悪路になった。今回の行程最大の難所に突入である。
峠はすぐに越えることができた。しかし、マナーリーはここよりも1000mも下である。ここから先はひたすら下りだ。
下りとなるとどうしてもスピードが出てしまうので、谷側に落っこちないように細心の注意が必要となる。時には対向車も来るので、すれ違う時にも細心の注意と譲り合いの精神が必要だ。
霧(と言うより雲)は谷の底までかかっている。谷底が遥か下に見えるケースも恐ろしいが、こういう時は谷底がどうなっているか分からない方がむしろ恐ろしい。
無事谷に降り、道路のアスファルトも復活した。これで終わりかと思いきや、車は更に緩い下り坂をダラダラと走っていく。
賑やかな街に到着し、いよいよゴールかと思いきや、単なるマナーリーの衛星都市(衛星街?)にすぎず、本当のゴールは更に先だ。
そして、マナーリーに入る車、マナーリーを出る車が細い両側通行の道にあふれ、渋滞が始まる。結局この渋滞はマナーリーの街中に入っても続き、更には放牧から帰ってきたとみられる牛や羊の群れがその渋滞に拍車を掛ける。
この渋滞、どう考えても道路ができた当初よりも街の規模や人口が拡大し、その発展に道路の整備が追いついていないとしか思えない。
そして、夜7時前。私たちのジープはマナーリーの街中に到着した。
19時間にも及ぶ、文字通り山あり谷ありの移動に、今ようやくピリオドが打たれた。
※ 「ラ」とは「峠」のこと。
竜巻
2011年9月28日
カルシャからの帰り道。パドゥムの街に着く直前のことだった。
行く先で、ものすごい勢いで砂埃が立っている。
[おい、冗談じゃないぞ。あんな埃に直撃されたら、今コンタクトレンズだし、鼻炎もぶり返すではないか]
しかし、よく見ると、天に向かって舞い上がる砂埃は少しずつ移動している。しかも、渦を巻いてはいないか?
竜巻だ・・・
幸いにも、規模が小さく、家屋や家畜を吹き飛ばすような被害は無く、高い山にぶつかったところで竜巻は消えた。
それにしても、竜巻なんて、リアルで見るのはこれが初めてだった。
上着購入
2011年9月20日
ここ数日、明け方の気温がめっきり低くなってきた。レーに来た当初は持ち合わせの衣服で何とか済んだが、こうも冷えてくると特に上半身の装備が心細くなってきた。
という訳で、メイン・バザール近くの古着屋で上着を買い求める。
幾つか店を覗いてみると、あるわあるわ。上着が文字通り、山と積まれている。中には、洗濯タグが日本語で書かれているのもちらほらある。
最終的に、メイン・バザール端のモスク側の店でしっかりとした青いダウンの上着を280ルピーで購入した。
あと、手袋も必要だ。こちらはポロ・グラウンド近くの市場の露店でチベットらしい色彩の毛糸のものを90ルピーで買い求める。これにしたポイントは、。手袋をしたままカメラのシャッターを無理なく押せること。
今回の装備増強は、朝の冷え込み対策というだけでなく、実は明日から1泊で野外に出かける、ということもあってのことである。
雨
2011年9月15日
ラダック入りしてからずっと過ぎるくらいに天気には恵まれていたが、この日は初めて、未明から雨模様となった。幸い、上ラダックを歩き回っている間は「曇りたまに小雨」程度で済んだが、夜になって大変なことになった。
夕食を終えて宿に戻り、パソコンで文字を打っていると、キーボードの音の背景にザーザーという別の音が聞こえてくる。どうやら本格的に降ってきたようだ。
私の部屋の外では雨漏りまで発生し、宿のおかみさんが慌てて対応していた。
「去年大雨で鉄砲水が起きて――あの時のことを思い出してしまうわ」
そのことなら日本でも報道されていたので知っている。死者まで出た惨事になったらしい。
今回は惨事に至らないでほしいものだ。個人的にも、明日は楽しみにしているイベントがあるのだから・・・。
【訂正】ラダックの天気は・・・
2011年9月11日
以前、天気予報サイトの情報を基に「この時期のレーの最高気温は15度くらい」ということを書いたが・・・
現地に到着してみると、ものすごい日射しで、体感気温はどう考えても25度を超えている。
湿気が無いので汗ばむことは無いものの、暑い・暖かい・涼しい・寒いの4段階のうちいずれに相当するかといえば、間違いなく「暑い」に相当する。
「現地に着いたらまず上着を買おう」などと以前書いたが、昼に比べれば気温はぐっと下がるものの夜でも持ち合わせていたジャージを着れば十分間に合うので、到着してから上着を買っていないのは言うまでも無い。(但し、後日パンゴン・ツォへ向かう前に買うことになる)
天 気 予 報 の 嘘 つ き
――てか、インターネットの海外天気予報を鵜呑みにする方が悪い。
現地に到着してひしひしと感じたのは、やはり日射しの強さだった。
・(暑いけれど)長袖の服
・帽子
・サングラス
・日焼け止め
ラダックに来るなら、以上のものは必ず揃えておいた方がいい(現地購入でもいいので)。
ラダックの天気は・・・
2011年9月 4日