バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

台湾西岸(2012~2013年)

台中-2 ~絶品!中華路夜市の「50年代台北蚵仔麺線」

彰化から列車で台中に戻る頃には、既に辺りが暗くなり始めていた。台湾の街角が昼間とは違う活気を呈してくる時間だ。前日台北の士林で楽しんできたばかりの夜市にこの日も向かう。
台中の中華路夜市
台中の中華路夜市
中華路夜市の屋台
蛙だって立派な食材
台湾の夜市にもいろいろな顔のものがあって、ショッピングがメインとなる夜市、グルメがメインとなる夜市、その両方が楽しめる夜市、に分けられるだろう。今回訪れたのは、ファッションの店もあるがメインはグルメとなる屋台街・中華路夜市だった。
細い路地に人がひしめき合う士林夜市とは違って、中華路夜市は普通に自動車が行き交う道路の両脇にずらりと食品・飲料の屋台が並んでいる。
このへんの屋台は、生の素材を店先に並べて、注文を受けてからそれを調理するという方式の店が少なくない。肉、海鮮、野菜――中には頭がついたままのアヒルや、蛙なんて素材を置く店もある。看板に書いてあるだけで素材こそ店頭に出していなかったが、蛇肉を扱う店もあった。
魯肉飯、蚵仔煎(牡蠣入りオムレツ)などの台湾名物の数々も売られている中、私の目に留まったのは、黄土色のどろりとしたスープの中でそうめんのように細くやはり黄土入りの麺が煮詰められている鍋を前面に出した屋台だった。看板には「50年代台北蚵仔麺線」と書かれている。
「おいしいよ!」
明らかに戦前生まれの温和そうな店主が日本語で呼び掛けてきた。料理にも店主にも気持ちを引かれて、試しに食べてみることにした。
注文して程なくして、「蚵仔麺線」入りの小碗が出された。中には鍋に入っていた黄土色の麺のほか、牡蠣も入っている。先ほど挙がった「蚵仔煎」が牡蠣入りオムレツであることからも分かるかもしれないが、「蚵仔」とは閩南語(福建省南部や台湾で話される中国語)で牡蠣を表す言葉なのだ。
スープがよく絡んだ細麺を、いざ口に投じてみると――何というだしの効き方だろう。牡蠣の旨味だけではない。鰹、海老――海の幸の旨味が怒涛のように押し寄せてくる。だしは麺の芯までしみ渡っているが、だからと言って麺が煮崩れることもなく、しっかりとした食感を保っている。ここまで「黄土色」と表現してきた麺とスープの色だが、余りの美味さに黄金色に輝いてすら見えてきた。

「50年代台北蚵仔麺線」の麺線
「50年代台北蚵仔麺線」の麺線
「50年代台北蚵仔麺線」のご主人
「50年代台北蚵仔麺線」のご主人

私はその後も台湾の別の街で、あの味を求めて麺線を求食したが、これまでのところ、この時のものをしのぐ味には未だ出会っていない。
台中に来たら、ぜひ中華路夜市の「50年代台北蚵仔麺線」をお訪ねあれ。私の一押しの一品と、温和でフレンドリーなご主人が迎えてくれるだろう。

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