バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

スリランカ、インド

コロンボ―ゴール ~海辺を走る鉄道

2015年5月4日

午前8時40分。ゴール(ガッラ)へ向かう列車がコロンボ・フォート駅を出発する。
スリランカの列車(コロンボ・フォート駅にて)
スリランカの列車(コロンボ・フォート駅にて)
スリランカの列車の2等席
スリランカの列車の2等席
スリランカの鉄道は、先日アヌラーダプラからコロンボに向かう時に使いたかったのだが切符を買い求めることができずに断念していた。旅も間もなく終わるというタイミングでようやく乗ることができた。
車両は座席指定の2等車を選んだが、ただ混まないというだけで車両は3等車と同等。かなり年季が入っていて、座席はリクライニングも無く、クッションも余り効いていない。暑い国にもかかわらず、エアコンは無く扇風機が天井に吊り下げられているだけだった。

列車は、スリランカ南西部の海岸を南下する。
駅を出発してから暫くはコロンボの街の景色が続くが、やがて車窓の外には広々としたインド洋が広がる。その先にある大きな陸地はもはやアフリカ大陸しかないのだから、広く感じるのも当然だろう。
時には線路のすぐ横に海岸線があるくらいの至近距離にまで近づくこともある。
日が高くなり、も空の青が増してきたためか、海の青も先ほどコロンボで見た時よりも鮮やかさが増しているように思われた。
カルタラで突如、水面が細長い陸に囲まれる風景に変わった。アヌラーダプラからコロンボに向かう途中でも見たラグーン(潟)である。どうやらスリランカでは河口に三角州よりもこうしたラグーンが形成されることが多いらしい。

車窓から見えるインド洋
車窓から見えるインド洋
ラグーン(潟)の風景
ラグーン(潟)の風景

時折海の景色が途切れることもあるが、その時はその時でまた趣の異なる景色を楽しむことができる。
それは、鉄道沿いに住む人々の生活の風景だ。
海と鉄道の間に、掘っ立て小屋のような粗末な家屋が並んでいる。天気がいいからか、洗濯物を干す光景がよく見られる。スリランカの人は明るい色の服を好むのだろうか。洗濯物が干された軒先は明るいパステルカラーで彩られていることが少なくない。
勿論、そこに住む人々の姿も見ることができる。ある人々は線路に腰掛けておしゃべりをし、ある人々は洗濯物を干し、ある人々は小さな子どもをあやし、ある人々はカードゲームに興じ、ある子どもたちは「スタンド・バイ・ミー」のように線路の上を歩き…

鉄道沿いに住む人々
鉄道沿いに住む人々
線路のわきと上を歩く子どもたち
線路のわきと上を歩く子どもたち

スラムとまではいかないかもしれないが、決して豊かではない。しかし、母なる大いなる海に抱かれて日々の生活を送る人々の表情に「不幸」は微塵も見られなかった。

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