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雑記ブログ

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チベット暦新年の新聞記事から

昨日はチベット暦の新年だった。チベットが平穏であることにしたい中国共産党当局は支配下にいるチベット人に新年を祝うことを強要しようとしていたが、外敵による民族的虐待・虐殺を受けてまだ1年たたないのだ。仏教徒としては”喪に服す”のが当然の行為となる。

本日の東京新聞朝刊国際面では、
「チベット旧正月 祭り自粛
抗議込め 読経響く
まもなく騒動1年 武装警官が巡回」

と題して大きな扱いがされていた。

【黄南チベット族自治州(中国青海省)=小坂井文彦】チベットの旧正月を迎えた二十五日、昨年三月のチベット騒動の犠牲者に対する哀悼と、中国当局への抗議を込めた僧侶たちの読経が各寺院に響いた。例年行われる競馬などの祭りを自粛し、静かな新年の始まり。街では暴動を警戒して、新年には不釣り合いな武装警官隊が巡回を続けていた。

同日早朝、青海省都の西寧市からチベット人居住区に向かう途中、出会ったチベット人男性(32)が携帯電話を差し出した。チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ十四世の所蔵写真を見せる。

昨年の騒動弾圧以降、ダライ・ラマの写真を所蔵するだけで公安当局による拘束の理由となるが、「信仰は絶対だ」と話す。中国当局によるダライ・ラマを批判する教育にも、僧侶は「信仰がいけないのか。国連は何と言っているのか」と訴えた。

午前八時半、青海省海東地区のシャチュン寺で読経開始の太鼓が鳴った。僧侶たちが経堂に集まる。近くの村人たちは、経堂の脇で祈りをささげた。今年は「喪に服す」ため、新年のごちそうも、服の新調も控えた。

経堂の外では、警官約百人がにらみを利かせていた。約一週間前から毎日、警官が巡回に来ている。
(以下略)

中国共産党当局がラサの様子を隠ぺいする現在、”チベット自治区”からのレポートはかなわない。しかし、黄南とて立派なチベットである。

静かに喪に服す中、警官が巡回――緊張感の伝わってくる記事である。また、記事中のチベット人男性の言葉からは、チベット人としての強いアイデンティティ、強い信仰心、中国共産党当局に対する強い憤りが伝わってくる。彼の言葉は、チベット人の意思を代表するものであると断言していい。

一方、その記事の左側には、脅しによるのか洗脳によるのかは不明だが、チベット人としてのアイデンティティを失ってしまったかのようなチベット人学者の言葉が掲載されていた。

「中国、統治を正当化 チベット族学者通し」

【北京=平岩勇司】チベット暦の正月にあたる二十五日、中国チベット学研究センター研究員のルオロンジャンドィ氏(46)は北京で記者会見を開き「中央政府の政策でチベット族の生活は向上した」と強調した。チベット族学者の発言を通じて当局のチベット統治を正当化する狙いだ。

チベット族の間で正月を祝わない動きがあることについて同氏は、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世などの「外部勢力が扇動した。個人の意思を政治利用してはいけない」と主張した。

また、チベット族がダライ・ラマの写真を持つだけで拘束される現状をドイツ人記者がただすと、「ドイツでヒトラーの宣伝ができないのと同じで、ダライを公共の場で宣伝してはならない」と言い切った。

文脈としては、中国共産党当局がチベット人に真実と異なることを言わせてそれを公表するというプロパガンダを行ったということだが、チベット人にそれを言わせるという点が重大であり、中国共産党当局の狡猾なところである。
そして、この記事にはもうひとつ、見出しには表れていない、重大な内容を含んでいる。
こともあろうに、ダライ・ラマ法王をヒトラーに比している点である。

一体、法王がいつ他民族を迫害・虐殺し、他国を軍事力で支配し、プロパガンダで国民を扇動したというのだろうか。

他民族を迫害・虐殺し、他国を軍事力で支配し、プロパガンダで国民を扇動したヒトラーに比して宣伝を許さないということであれば、この世で最も宣伝が許されないのは毛沢東であるということになる。

<追記>
朝日新聞と読売新聞にもチベット正月の様子を報道する記事が掲載されていた。

読売新聞は小さな囲み記事だけだったが、朝日新聞は国際2面のトップで
「チベット 追悼一色
旧正月、人影まばら
自治州、警察が監視」

という見出しで大きく報じており、中国支配下の地域のほか、ダラムサラの様子も記されていた。

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