砂曼荼羅

朝8時。高速バスで長野駅前を出発。渋滞が心配されたが極めて順調に走り、むしろ予定時間よりもやや早く12時30分前には東京・新宿駅西に到着した。

昼食後、そのまま西新宿にある仏寺・常圓寺に向かう。ここでこの日まで、チベット・シガツェのインドの[※]タシルンポ寺から僧侶を招いて「チベット・スピリチュアル・フェスティバル2009@新宿」が開かれていたのだ。

[※]シガツェのものではなく南インドで再建されたものでした。ご指摘くださった渡邊先生、ありがとうございました。

今回の目玉は、招待された僧侶たちによる砂曼荼羅の作成。作業は非常に細かく、5月1日から5日間にわたって行われており、この日午後の完成を目指し、常圓寺地下で詰めの作業が行われていた。
砂曼荼羅作成中
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暫く、別フロアのグッズ売り場などを見た後、1階に戻ってTVモニタを覗いてみたところ・・・
完成した砂曼荼羅
砂曼荼羅の周りに僧侶たちがいない。どうやら完成したようである。

ふと1階のホール部分を見ると、大勢のお客たちが座り始めている。
「何かあるんですか?」
と顔見知りのスタッフに尋ねてみたら、
チャムですよ! これが肝心じゃないですか! 早く入って下さい!」
実はイベント内容を細かくチェックしておらず、砂曼荼羅のことしか頭にインプットされていなかったのだ・・・。

チャムとは、チベット伝統の仮面劇である。話には聞いていたが、見るのはこれが初めてだった。
チャム チャム
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チャムの他にも、

4対1の僧侶の問答
4対1による僧侶の問答
チベット僧の祈り&楽器演奏
チベット僧の祈り&楽器演奏

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なども行われた。

そして、16時20分、訪問客らが地下に集まる。
ここで行われようとしていたのは・・・

砂曼荼羅の破壇(取り壊し)

何と、5日間かけて作業して先ほど作り終えたばかりの砂曼荼羅を早くも壊すのだ。
これは、仏教の「諸行無常(変化しないものは無い)」との考えによるものである。砂曼荼羅を使った灌腸の儀式(私は行けなかったが今回もこの日の午前中に行われていた)が終わればそれはもう用済みということで壊してしまうのだ。
祈りの後、砂曼荼羅が僧侶たちの手で取り壊されていく。

壊される前の砂曼荼羅
Before
壊された砂曼荼羅
After

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しかし、壊された砂曼荼羅の砂粒は、川に流される(今回は隅田川)ほか訪問客たちに分けられ、ご利益のおすそ分けがされるという寸法だ。
そのおすそ分けが↓これ↓。
曼荼羅の砂
あの砂曼荼羅は、タシルンポの僧たちが精魂込めて作ったものである。
そういえば、私がチベット仏教に引き込まれた場所がまさに、2007年に訪れたチベット・シガツェのタシルンポ寺だった。
何か、深い仏縁が感じられる。

タシルンポ魂、受け取りましたぞ!!(って、それが何なのか分からないのが致命的 orz)

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長野紀行(3)

善光寺参拝の後は、長野駅の方向へ戻った場所にあるもんぜんぷら座地下BOX (長野県長野市新田町1485) にて開かれていた(5月5日まで開催)「チベットウィーク2009春 in 長野」の展示会場へ。会場近くで、東京でお目にかかったことのあるスタッフの方にお目にかかり、場所を確認して会場に赴きました。
会場会場
限られたスペースの中、チベット問題の説明、写真、子供たちの絵、関連書籍、リーフレットの展示や折鶴コーナーなどが効率よく設置されていました。

その後、バスで川中島古戦場へ。上杉謙信と武田信玄が激闘を繰り広げた場所が長野市だったことを今回初めて知りました(長野県であることは知っていたのですが・・・)。公園内の神社には、当時の一騎打ちを偲ばせる謙信vs信玄の像や首塚、当時の陣立てを説明するパネルなどが置かれていました。
謙信・信玄の像
その隣にあった長野市博物館を見学後、市内から更に離れた松代にある松代城海津城)跡へ。バスが一向に来ないのでしびれを切らし、40分ほど歩いて行ってしまいました(バスには目的地手前500mほどで追い抜かれた)。
松代城
松代城は、外から見た石垣や城門は立派でしたが、中に入ってみると広場があるだけで少々がっかりでした。

バスで長野市内に戻り、チベット問題アピールのリンカ(ピクニック)がしばしば行われる若里公園をウロウロした後、再びチベットウィーク2009の会場へ。東トルキスタンの核実験被害を訴える映像を見させていただきました。
その後もスタッフの方々と懇談し、気がつけば夜の飲み会にまで参加――長野の熱く、濃いチベットサポーターの方々と実りのある時間を過ごさせていただきました。

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長野紀行(2)

提灯

2泊3日とはいえ、長野の街を歩けるのはこの日1日だけ。朝早くから行動しました。

まず訪れたのが、長野の代名詞と言ってもいい、善光寺。今年は7年に一度の「御開帳」の年。町全体が御開帳ムード一色になっていました。参道にはあちこちで、御開帳を祝う提灯などが飾られていました。

駅前の宿から(私らしく)歩いて善光寺へ。

善光寺大門
8時20分。善光寺大門着。
長蛇の列
8時25分、仁王門で長蛇の列の最後尾に。


境内着
8時52分、やっと境内へ。
人だかり
笑いたくなるほどの人だかり。



三門通過
9時22分、やっと三門通過。

導師様の道が開く

暫く歩き進んだところで・・・
「これから導師様がご退場しますので、道をお開け下さい!」
とのアナウンス。「モーゼの十戒」の場面のように、人波が左右に分かれて道ができました。(右写真。残念ながら退場時は撮影禁止でした)
その間を、善光寺の導師様が歩いていきます。この時、有難い「お数珠頂戴」が行われたのですが、それを受けることができたのは私がいた反対側の人たちだけで、残念ながら私はお数珠を受けることができませんでした。


柱に到着
9時48分、やっとのことで回向柱(えこうばしら)に到着。
(写真で柱に触れているのはカズではありません)

こうして善光寺本堂前に辿り着いた訳ですが、私はそこを後回しにして、境内北西にある日本忠霊殿へと足を向けました。
日本忠霊殿
なぜ本堂よりもそちらを優先させたのか・・・下の写真をご覧ください。
ダライラマ御寄進仏
ダライラマ御寄進仏!!

私が長野を訪れた最大の理由がこれでした。

昨年(2008年)のことを思い出して下さい。
ペキンペテン五輪の穢れた聖火が長野でリレーする際、スタート地点の指名を返上し、同年3月の騒乱で亡くなったチベットの人たちの法要を行ったお寺がありました。
その素晴らしいお寺こそ、この善光寺さんでした。
ダライ・ラマ猊下はそれに感謝の意を込めて善光寺さんに仏像を寄贈したのです。
高さ21センチの小さな仏像でしたが、金色の見た目や大きさ以上に神々しさが感じられ、私はその小さな仏像に深く深く祈りを捧げました。
(撮影禁止だったのが残念! 写真をご覧になりたい方はこちらから[産経新聞ニュース])

猊下寄贈の仏像に拝謁して既に満足感を得た私は、開帳された前立本尊を間近に見られるものの4時間もかかる内陣参拝は敢えてせず、遠くからながらも前立本尊が見える外陣参拝と、御印文頂戴と、その他のお堂を巡るだけにとどめました。
これで十分・・・11時半、私は善光寺の境内を離れた後、昼食にまたしても信州そばを頂いた後、次の場所へと向かいました。

長野紀行(1)

今・・・
東京を離れて長野に遊びに来ています。

最初はバイクで行くつもりだったのですが、ETCが在庫切れで間に合わなかったことと、高速道路デビューに東京―長野はちと長すぎたことから、今回は大人しく高速バスで長野入りしました。
バスは12時半、新宿を出発。ゴールデンウィーク(GW)なので渋滞が気になりましたが、1回事故渋滞があったくらいで、16時10分着予定だったのが、16時半前着と、20分遅れただけで済みました(インドとかに比べればこの程度の遅れなんぞかわいいものです)。
ただ、到着した場所が長野市内ではなく、長野インターチェンジ・・・
バスで市内に移動しようと思ったが、近くにあったバス停は高速バスの降り場。近くにいた地元のおばあちゃんに
「すいません。長野市内に行くバスありますか?」
と聞いてみたら
「そこから出ていますよ」
とのこと。
下車専用の高速バス時刻表の裏側をよく見たら・・・

川中島バス 長野県庁行き

ちゃんとあるじゃないか・・・ XD

16時40分。いいタイミングで川中島バスが来た。500円あれば十分だろうと準備して乗り込んだが、整理券式のバス料金はどんどん上がっていき、約30分後、長野駅に着く頃には530円・・・
ちょっと高くないですか?
(名古屋、京都、東京で一律料金に慣れ切ってしまったカズであった)

長野駅に着いたところで、その正面にあるネットで予約しておいたホテルサンルート長野にチェックイン。インターネット接続キットの貸出サービスがあったので借りてきた。ノートPCを持ってきておいてよかった。
(現在、ホテルの部屋からブログ更新中)

今日はもう遅いので、駅地下の蕎麦屋で名物信州そばをいただくだけで終わり。
明日1日だけですが、長野の街を楽しんできます。

※              ※              ※

やっとチベットやチャイナと関係ない記事を書いたか、と思われたあなた、

    甘い!!

チベットサポーターの方や、昨年のことをよく覚えている方はお分かりでしょうが、チベットと関係大ありなのです!!

なぜか分からない方は、明日の書き込みをお待ち下さい。

映画『風の馬』(3度目)&トークイベント

昨日に続いて東京・渋谷のUPLINKへ。この日の映画は実に3度目となる「風の馬」(詳しいレビューはこちら)。

ドルカがペマの手を取りながら一緒に歌うシーン・・・
ドルカが狂ったようにマニ車を回すシーン・・・
家族との別れ・・・

不覚にも涙腺がゆるんでしまった。

ビラ1枚で殺された祖父・・・
たったの一言で獄に繋がれたペマ・・・

昨日の「雪の下の炎」トークイベントで田崎先生が「あり得るべき映画ではない」とおっしゃっていたが、この映画についても同じことが言える。チベットでは、あってはならないことが余りに起きすぎている。

さて、この日も上映後にトークイベントが行われた(実は映画そのものもだがこちらの方も目当てだった)。
今回の弁士はチベット仏教世界の歴史と文化を専門とする早稲田大学教授・石濱裕美子先生。ダライ・ラマ法王のことを中心に、

ダライ・ラマの実存(1.一人の人間としての立場 2.一宗教者としての立場 3.チベット難民としての立場)
亡命後にしたこと(僧院の再建、チベット子供村[TCV]創設、民主化、文化諸機関の設立)
非暴力(ガンディー、キング牧師、ツツ大主教、アウン・サン・スー・チーが法王に与えた影響や、1989年の東欧におけるほぼ無血の民主化とのかかわりなど)

などのお話をいただく。

そして、奇しくも昨日田崎國彦先生がおっしゃったことと似た趣旨のことを話された。

「(チベット人がナショナリズムを教育などで出さないことに絡めて)中国人の愛国心は日本軍が侵攻したことによるものである」

日中戦争に関してはいろいろな立場・意見があるだろうが、この点について日本人は心の隅にでもしっかり置いておいた方がいいのかもしれない。

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映画『雪の下の炎』(2度目)&トークイベント

仕事を早めに切り上げて、東京・渋谷の職場近くの映画館UPLINKへ。2度目の鑑賞となる「雪の下の炎」を見に行く。
元々もう1回は見るつもりではいたが、本日は既に顔見知りになっていたキム・スンヨンさん(映画『チベットチベット』監督)と田崎國彦先生(チベット問題に詳しい学者)のトークイベントがあるということで、この日を選んで駆け付けた。

上映前、UPLINKの喫茶店で田崎先生、キム監督たちと少しばかり話をしたが、その中で田崎先生の奥さまである渡邉郁子先生が
「サイトやってますよね?『憧れの・・・』」
何と渡邊先生、このサイトを見てくださっていた!! 有難い話である。

映画のレビューは以前も書いたのでここでは繰り返さないが、パルデンさんの強い意志と慈悲の心、チベットが置かれている現状の厳しさ、ハンストの緊迫感などは何度見ても胸を打たれる。中には涙ぐむ観客すらいた。

上映が終わったところで、田崎先生とキム監督のトークイベント。映画の内容を踏まえ、チベット問題について語る。
以下、印象に残った話を抜粋。

田崎先生:
「あり得るべき映画ではない。そういうことを考えつつ、現実を見ていく必要がある」
「中国にとって最大の敵はお坊さん。デモの時にはまずお坊さんが先頭に立ち、それから一般の人たちが続く。拷問されると分かりながら自分の信念を曲げないのは、慈悲に支えられた正義が拠り所となっているからだ」
「初めのころ、毛沢東はチベットの自立も頭にあったが、抗日戦争の中で『一つの中国』の流れが強くなってきた」

田崎先生の視点はユニークで、お話を聞く度に目から鱗が落ちる思いをさせられる。

キム監督:
「映画『チベットチベット』で拷問の話をどれだけ入れるか迷った。ひどいのになると、割りばしで口につっかい棒をして口にトイレの汚物を入れるとか、処刑の際に死刑囚の息子に銃を持たせ、それに中国人が手を添えて撃つということが行われていた」
「映画『雪の下の炎』でパルデンさんが電気棒を口の中に突っ込まれる話があったが、実は私、電気棒をやられたことがあります。2004年にチベットへ行った時、お祭りがあって競馬を見ていたのですが、人間そういうものを見ていると体が斜めに(前のめりに)なってくるもので、そこへ人民解放軍兵士が『後ろに下がって!』と電気棒を持ちながら場内整備をしていたら、その電気棒が私の体の前で振られたのですよ・・・ビリビリビリ!! ほんの少しかすめただけでスタンガンのようなショックが走りました。あれを口の中に入れられたら、そりゃ総入れ歯になってしまいますよ」

そんな中で、反省を促されるお言葉が・・・

田崎先生:
チベット問題には、怒りではなく『慈悲』の心で関わっていくことが必要

分かってはいるのだが・・・行うは難しい。
「農奴解放記念日」あたりから、このブログもかなり怒りに任せて攻撃的になってしまっている。
言うべきことはきっちり言わなければならないが、「公開」ボタンを押す前に、もう一度冷静になって読みなおそう。

         反省・・・

<追加情報>
キム監督の「チベットチベット」が、6月20日よりUPLINKでアンコール上映されます!!
また、同じく6月に、「チベットチベット」が河出書房から本となって出版されます!!

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