バス憧れの大地へ

雑記ブログ

旅のこと、写真のこと、チベットのこと――日々の雑感をつれづれなるままに書いています。
最近は長文を書くゆとりが無く、更新が滞っています・・・短文ならTwitterでつぶやいていますので、右サイドナビのTwitterパーツをご覧下さい

糸満-2(2012年5月4日)

説明文が詳細だったこともあって、ひめゆりの塔で思いの外時間を費やしてしまった。近くの食堂で「ひめゆりそば」と名づけられた沖縄そばを昼食にして、次の場所へと向かう。

次の場所は、ひめゆりの塔から東へ4kmほど行った所にある平和祈念公園。ひめゆりの塔と同様、先の沖縄戦による戦没者たちを悼むことを目的とした施設だが、ピクニックやバーベキューを楽しむ人々もいて憩いの場所にもなっているようだ。
まずは、この公園で一際目に付く平和祈念堂に入る。奥に進むと巨大な仏像が安置されていて、台座の下には各都道府県や世界各国から寄せられた平和を願う石が展示されていた。しかし、それらの石の贈り元となった国の中には、未だ他国と戦闘状態にある国もある。平和を唱えることと平和を維持することの違い、平和を維持することの難しさがそこに暗示されているようにも思われた。
平和祈念堂
平和祈念堂

海へ向かって足を運ぶと、無数の黒い石の壁が地面から生えるようにして並んでいる。「平和の礎(いしじ)」と呼ばれるこの石の壁には、1つ1つにおびただしい数の人名が刻まれている。ここに刻まれている名前の持ち主は全て、国籍・軍人・非軍人の別を問わず沖縄戦などで亡くなっていった人々だ。即ち、これらの黒い石の壁が林立する光景こそが、沖縄戦がいかに惨憺たるものだったかを象徴しているのだ。
そしてその先にあるのが、この公園の象徴的な場所である、平和の火だ。この火が海に面する断崖絶壁の上に灯されているということは、沖縄発の平和の願いが「世界」へ向けられているということに他ならない。
平和の火
平和の火。後ろに見えるのが平和の礎

その他、この公園内にある摩文仁の丘には、各都道府県が建立した慰霊碑が建ち並んでおり、平和への祈りが全国規模で行われている。

平和への思いを新たにして、那覇への帰路に就く。

途中、喜屋武岬へちょっと寄り道。本島最南端に果てしなく近い場所にあるこの岬もまた、沖縄戦で多数の自決者を出した悲劇の場所であり、「平和之塔」が建てられている。
喜屋武岬
喜屋武岬。左に見えるのが今回の“足”となった自転車
喜屋武岬の平和之塔
喜屋武岬の平和之塔

更にその近くにある具志川城を訪れているうちに16時半になってしまった。自転車を貸してくれたNPOは18時までしか営業していない。あと1時間半で那覇に戻らなければ…
もはや脚はパンパンになっていたが、とにかく必死になって自転車のペダルをこいだ。そして17時50分――ぎりぎりで自転車を返すことができた。

糸満-1(2012年5月4日)

本日は那覇から南へ自転車で向かう。ゆいレール美栄橋駅近くにあるNPO法人「しまづくりネット」さんでマウンテンバイクを借りて、AM9時40分、いざ出発。

目指す場所は、糸満。目的地までは20kmほどなので、信号待ちなどを考えたとしても大体2時間弱で着くことができるだろう。
往路は主に国道331号の路肩を走って行った。ちょっと怖いのは確かだが、歩道を走るのに比べ凹凸が少ないので、車道の方が遥かに走りやすい。しかし、途中で間違って高架の車道に入ってしまった時はさすがにおっかなびっくりになった。

出発から約1時間15分後のAM11時前、沖縄本島南西端に近い琉球ガラス村に到着。予定には無かったがせっかくだから寄ってみた。
ここでは琉球ガラスの製品を作る匠の技を直接見ることができ、且つその作業を体験することもできる。私も体験してみたかったが、待ち時間が長そうだったのでそれはやめておいて、ガラスの器作りの作業を見るだけにとどめて次の場所へと向かった。
琉球ガラス村
琉球ガラス村の匠の作業

次に向かったのは、琉球ガラス村から程近い場所にある、ひめゆりの塔。日本人なら誰もがその名を知っているであろうこの場所こそが、この日最大の目当てだった。
第2次大戦終戦直前、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の女生徒たちが看護師として駆り出され、米軍の南進に伴い沖縄本島の南端まで逃れることを余儀なくされる。そして1945年6月18日、突然の「解散命令」で行き場をなくした彼女たちは戦場を逃げ惑い、ある者は米兵に殺され、ある者は自決していく。ひめゆりの塔は彼女たちの魂を鎮めるため、87名という最も多くの犠牲者を出した沖縄陸軍病院第三外科が置かれた壕の上に建てられた慰霊碑である。
入り口では、献花が1束200円で売られていた。私はそれを1束買って、ひめゆりの塔の前に供えて深々と祈りを捧げた。
ひめゆりの塔
ひめゆりの塔

塔の近くにはひめゆり平和祈念資料館が建てられている。入場するとまず、“ひめゆり”の生き残りたちの生々しい証言を綴った映像が上映されていた。
展示では、彼女たちが戦争に巻き込まれていく様子や、米軍が沖縄本島の北から攻めてきて彼女たちが南へと追い詰められていく様子が描かれている。展示終盤では、彼女たちの生々しい証言が特大の本にされてそれが閲覧できるようになっている。
ひめゆり平和祈念資料館
ひめゆり平和祈念資料館

まだ人生これからという少女たちが戦争に巻き込まれていき、そして死んでいくことだけでも十分すぎる位の悲劇だ。しかし、よしんば生き残ったとしても、教師を目指していたはずの女学生たちが看護士として戦場に駆り出され、負傷兵の痛々しい傷口を目の当たりにし、そして目の前で同級生たちが、恩師たちが死んでいくのを目の当たりにしたことは、青春真っ盛りの少女たちの心にどれほどのトラウマを残したか計り知れない。
資料館では生き残りのひめゆりが語り部として、来館者に自らの体験談を涙ながらに語っていた。思い出したくもないことだろうに…彼女たちに敬意を抱かずにはいられない。

それにしても文字による説明が多いな、と思っていたところ、最後の展示室でその謎が解けた。生き残りの語り部もいつまでも生きていられる訳でもないので、彼女たちが他界した後のことを考え、来訪者の方々がより詳細にひめゆりたちの悲劇を理解できるよう、2004年のリニューアルでこのような形になったとのことだ。
確かに、その時はいつか間違いなくくる。しかし、語り部として1日でも長く生き抜いていただきたいということ以上に、戦争という悲劇に青春を奪われた分、そして非業の死を遂げていった学友たちの分、彼女たちには長生きしてほしいと切実に思う。(もしかして彼女たちにとっては『生き残ってしまったこと』自体が辛い、という側面があるかもしれないが、それでも私は敢えてそう言いたい)

那覇-2(2012年5月3日)

宿を出て真っ先に向かったのは、食事処。
実は、日本の国内線に乗るのが15年ぐらいぶりだった私は、日本の国内線で機内食サービスが無くなっていたことを知らず、搭乗前に食事をすることも準備をすることもせずに那覇まで昼食抜きで来てしまったのだ。
近所の商店街に入って、沖縄の昼食はこれ!と決めていた沖縄そばを頂く。今回注文したのは、スペアリブのような肉が乗ったソーキそば。肉はボリュームがあるが、麺とだしはあっさりとしていて食べやすい。
ソーキそば

この日は時間が無かったので、訪れたのは那覇歴史博物館ぐらい。尚氏王朝の簡単な展示があったほか、終戦~返還に至るまでの那覇の歴史が写真を中心に展示されていた。
30年近くアメリカ政府の統治下で、米ドルが通貨として使われ、車が右車線を走っていた時代が、沖縄にはあった。その間、大規模なデモが何度も行われていて、「返還」の悲願は私が想像していた以上に強いものだったことが窺い知れる。
ふと、同じように異国に支配されている我が愛しきチベットのことが頭をよぎった。米政府はまだまともだったが、それでも沖縄にはこれだけの苦悩があったのだ。今チベットを支配しているのは完全に頭のイカれたカルト集団であり、激しく弾圧されているチベット人の苦悩は想像を絶するものがある。

その他は、国際通りやその近くの土産物屋などが軒を並べる商店街をぶらぶら散策するだけで、この日は終わった。
那覇の国際通り
国際通り
那覇の商店街
賑わう那覇の商店街

本格的な沖縄巡りは、明日からだ。

那覇-1(2012年5月3日)

正午すぎ、雨に濡れた羽田空港の滑走路をANA1407便が飛び立つ。臨時便とのことだったが、ゴールデンウィーク(GW)の後半4連休の初日とあって席は全て埋め尽くされていた。
2時間45分のフライトの後、東京の悪天候が嘘のようなすっきりとした天気の中、真っ青な海を眼下に機体が降下していく。目的地の空港はその真っ青な海のすぐ側にあった。

到着した場所は…

那覇!

那覇空港
那覇空港

はい、すみません。今回は4連休しか取れなかったので、国内旅行です。まあ、国内の中でも最果ての地ではあるが。
実は、私にとって沖縄は今回が初の訪問となる。

空港から街へはモノレールの「ゆいレール」で移動。
ゆいレール

今回お世話になる宿は、目抜き通りの国際通りから平和通りの商店街を抜けた場所にあるステラリゾート。名前だけ聞くと豪華なリゾートホテルを思い浮かべるかもしれないが、実は格安のゲストハウス(私がそんな所に泊まる訳が無いw)。ドミトリー(壁とカーテンで仕切られていて限りなく個室に近い)なら1500円の格安宿だ。
ステラリゾート
ステラリゾート内部
ステラリゾートのドミトリー
ステラリゾート内部のドミトリー

ここを拠点に、いざ沖縄巡り開始だ。

Google

WWWを検索a-daichi.comを検索

<新着記事>