バス憧れの大地へ

富士山

富士登山記 1合目発 吉田ルート登山(2021年8月)

富士山駅―馬返

2021年8月5日

午前9時。河口湖へと向かう高速バスの車窓から、白い帽子を脱いだ富士山がくっきりと見える。この季節にこれだけ富士山が見える好天は貴重だ。天気予報が発表された10日前から、予報の移り変わりに一喜一憂していたが、直前の予報では私が登山する2日間は「晴れ」。絶好の富士登山日和となりそうだ。
高速バスの車窓からくっきりと見えた富士山
高速バスの車窓からくっきりと見えた富士山
2021年夏。日本では前年からコロナウィルスが猛威を奮っていた。2020年は登山道が閉ざされ、2016年から毎年続けていた富士登山を昨年は断念せざるを得なかったが、今年は「Withコロナ時代の新しい富士登山マナー」が示される下で登山は解禁となった。富士登山オフィシャルサイトも、6月の時点で予約していた山小屋も「コロナ感染者が増えているから来ないで下さい」というスタンスではなく、山小屋などからはむしろ「ご予定通りお待ちしております」というメールを頂いたほどだった。
ためらいの気持ちも多少あったが、私は上記のマナーを踏まえ、コロナ対策を万全にした上で、2年ぶりの富士登山に踏み切ることにした。

午前9時20分、河口湖駅に到着。しかし、今回、私がスタート地点に設定した場所には、ここからではなく富士山駅からバスに乗る必要がある。ちょうど9時30分に富士山駅に向かうバスが来たので、私はそれで富士山駅へと向かう。

富士山駅を出発するのは10時30分。まだ時間があるので、食事をとったり、駅近くで写真を撮ったりして過ごす。
駅近くにある金鳥居は、富士山の絵の額縁になる鳥居として有名だが、何度も訪れている場所であるにも関わらず、天気に阻まれるなどして、今までその構図で富士山を見ることができていなかった。今回ようやく鳥居越しに富士山を拝むことができた。 金鳥居越しに望む富士山
金鳥居越しに望む富士山

10時30分、今回のスタート地点に向かうバス――と言うより、マイクロバス――に乗り込み、富士山駅から金鳥居をくぐり、富士山に向けて南下。北口本宮冨士浅間神社横の細道に入り、中ノ茶屋に着くまでは舗装道路だったが、そこから先は未舗装の悪路。なるほど、小型のマイクロバスを使っている理由がよく分かった。
富士山駅―馬返間を走るバスと馬返のバス停
富士山駅―馬返間を走るバスと馬返のバス停
30分ほどで、終点の馬返に到着。ここが、今回の富士登山のスタート&ゴール地点だ。
富士吉田エリアから登る富士登山コースと言えば、吉田ルートである。私が今回挑戦するのも吉田ルートなのだが、このコースは通常、富士スバルライン5合目がスタート地点になる。それとは別の場所からスタートするとは、どういうことか。
実はこの馬返という場所、1合目から始まる登山ルート・吉田口登山道の入り口なのだ。即ち、今回のチャレンジは、1合目からの富士山登頂ということになる。
古来、山梨側から富士山を登るコースと言えばこの吉田口登山道だった。富士スバルラインが5合目まで延びてそこからの登山が主流になって以来、廃れてしまったが、「1合目から登ってこそ真の富士山制覇」という酔狂な?登山ファンなどから、今も細々とではあるが人気を集めている。私は、マラソンランナーで体力・脚力に自信があったのと、富士登山もこれで5度目で勝手が分かってきたので、いよいよの挑戦を決めたのだった。当時の古い風情が残っているらしいのも楽しみだ。
いざ、登山開始
いざ、登山開始

予め準備していた登山計画書を専用ポストに投函し、午前11時20分、標高3776mの富士山頂に向けて第一歩を踏み出す。
ここ馬返の標高は、約1440m(参考:富士スバルライン5合目の標高は約2310m)――実に2330mの、これまでに経験したことが無い高低差の登山に、いざ、挑戦開始だ。

※吉田口登山道のスタート地点は本来、上記の北口本宮冨士浅間神社なのだが、昨今は馬返からスタートするのが一般的。

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