ビザとパーミット
※この記事は2010年前後の事情を掲載しています。
ビザ
現在、中国ビザ(査証)に関しては、「一般旅券を所持し、観光、商用、親族訪問又は通過の目的で中国へ入国する日本籍の者は、滞在日数が入国した日から15日以内であれば、査証が免除され、外国人向けの空港、港などで入国できる」と規定されています。
中国当局の建前として、「特殊な旅行(登山、自ら用意した交通手段を利用する場合など)又、チベット自治区への旅行の場合は、従来どおり事前に査証の申請をしなければならない」との規定もあります。
現実問題として、ツアーならまだしも自力でチベットを目指す場合、中国に入国してから15日というのは余りにも短すぎますし、チベットではビザの延長がほとんど不可能と言っていい(シガツェで延長可能という話を聞いたことがあるが未確認)ので、ビザは必ず取得してください。なお、ビザの申請については「領事部での個人申請は申請件数が多く,待ち時間も長くなるため,一部の申請(ビザ,認証及び公証の一部―パスポート原本とコピーの公証,永住,居住)については旅行会社を通して代理申請を行って下さい」(中華人民共和国駐日本国大使館公式サイト)とのこと。
普通なら、滞在期間90日の1次観光ビザがあれば何とか間に合うでしょうが、それでも足りないと思われる場合は、180日滞在ビザ等を取って行くことをお勧めします。(詳細は旅行社にてご確認ください)。
※旅行社で依頼可能なビザの例
※参考ページ:中華人民共和国駐日本国大使館「査証に関して 」
TTPパーミット(入境許可証)
チベット自治区に入るには、チベット観光局が発行するTTPパーミット(入境許可証)が必要となります。
このパーミットは駐日大使館や領事館で申請することはできず、また個人での取得は難しく、通常は現地の旅行社でツアーに参加したり往復の航空券を購入したりする際にセットで申請することになります。(但し、ツアーとは言っても、融通の利く旅行社なら現地解散もできるので、数日だけ我慢すれば後は自分の好きなようにチベットを旅行することも可能です――というのは2007年の時のこと。現在可能かどうかは不明です)
では、このTTPパーミットはいつでも取得できるものなのか――残念ながら中国共産党当局の都合で発行が停止される場合が少なくありません。特に、チベット民族蜂起記念日のある3月は発行が停止されがちです。
この入境許可証無しで外国人がチベット入りすることは認められておらず、入境許可証無しで入ろうとして見つかった場合は追い返される、甚だしい場合には中国からの強制送還、中国への入国禁止といった処分を課される場合もあります。
※パーミットの発行状況等については、「中国・西蔵自治区(チベット)情報」を参照すると最新情報が得られるかもしれません。
中国・西蔵自治区(チベット)情報
<追記>
2008年冬にチベットに行った方から、「私が行ったときは厳戒期で(ノーパーミットに対する)取り締まりも厳しかったです。真冬だから外国人旅行者も元々少ない時期で意外にすり抜けられたのは事実ですが様々な場面で公安とトラブルになりました」との情報をいただきました。
現在、TTPパーミットなしでチベット入りするのはかなりのリスクを伴うようなので、やめておきましょう。
外国人旅行証
入境許可証は本来、飽くまでチベット入りに必要な許可証で、入ってしまえばお役御免です。(見方を変えれば、仮に入境許可証無しでもチベット入りしてしまえばその後はお咎めを受けることは無い、即ち『入った者勝ち』ということになります)
<追記>
上記の方から「ラサは入った者勝ちだったのにラサ市内でも安心できない状況になっています。公安や武警の数も半端じゃないです」との情報をいただきました。
また最近になって、本来は「入るための許可証」であって「滞在するための許可証」ではないはずなのに、TTPパーミットが無いと宿泊を拒否される宿が増えているとのことです(パーミットを所持しない外国人を泊めた場合処罰の対象となるらしい)。
しかし、だからと言ってその後はチベットを好き勝手に回れるかと言えば、そうではありません。外国人が自由に回れるのは"開放地区"のみで、"チベット自治区"内の開放地区はラサとシガツェぐらい。その他の"未開放地区"へ行くには「外国人旅行証」が必要になります。筆者も、ラサからギャンツェ、シガツェ、ティンリー、ダムを経てネパールへ抜ける際に、ギャンツェ、ティンリー、ダムに立ち寄るための「外国人旅行証」を取得しました。
これ無しで"未開放地区"に入って見つかった場合、罰金が課されます。しかし、東トルキスタンから西チベットに抜ける場合など、罰金覚悟で「外国人旅行証」を取得せずに行くバックパッカーも少なくありません(言うまでも無く、違法行為です)。
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