バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

チベット、大陸中国周遊

成都-3 ~愛嬌たっぷり、“竹林の主人”パンダ

2001年8月9日

歴史と味覚を楽しんだ後は、自然を楽しむことにしよう。九寨溝と黄龍(いずれも東チベット)へは明日から行くことにして、この日は朝から、成都市内で自然を楽しめる場所へ行くことにした。向かった場所は成都熊猫基地。“竹林の主人”パンダたちの繁殖基地だ。

同基地は、成都東駅からさらに東へ行った、城区の外れにある。敷地面積はかなり広く、全部見て回るには半日位必要だ。 パンダ
のーんびり、愛嬌たっぷりのパンダたち
しかし、広い割には“熊猫口密度”が少なく、なかなかパンダたちにお目にかかることができない。やっとのことで2頭のジャイアントパンダが活動(?)している所に行き着くことができた。
笹を食べ、木に登り、睡眠をとり ―― 彼らとしては、日常の活動を淡々とこなしているだけなのだろう。しかし、それが人間の目には可愛くて仕方なく映るのだから、不思議なものだ。外国人客は勿論のこと、中国人客たちもパンダの愛嬌たっぷりの姿に、大喜びだ。

少し奥に行くと、白い壁の建物があって、その中では観光客たちがガラスの向こう側に視線を注いでいた。そこにいたのは、7月12日に生まれたばかりの、ジャイアントパンダの双子の新生児だった。白と黒の毛は生えているが、まだ痩せていて、片手でつかめる程の小ささだ。 これが数年のうちに、さっき見たような丸々とした大きなパンダになるか ―― 少々、ピンと来ない。
子パンダ
生後1か月の子パンダ

さらに別の場所に行くと、小熊猫(レッサーパンダ)園もある。のんびりとしていて人間が来ようとマイペースを貫いていたジャイアントパンダとは対照的に、こちらはサービス精神旺盛だ。ちょこまかと動き回り、観光客の手の届きそうな場所にまで近づいて、カメラ目線を送ってくれる。人間を喜ばせるツボを、しっかり心得ているようだ。

午後は市街地の北側にある、黄忠村を訪れた。三国志ファンならすぐにピンと来ることだろう。蜀の名将・黄忠ゆかりの地だ。
ここには黄忠を記念した祠があるという。前日何気なく成都の地図を眺めていて偶然見つけた、隠れた三国志古跡だ。それを探す前に、腹ごしらえとしよう。
折角四川にいるんだ。また担々麺でも食べるかな。しかし、いくら見回しても、メニューに「担々麺」と書かれた店が見当たらない。仕方が無い。普通の牛肉麺を頼むことにした。すると、出てきたのは唐辛子たっぷりでスープが真っ赤に染まったラーメンだった。どうやら四川では、普通にラーメンといえば激辛ラーメンが出てくるようだ。

さて、黄忠の祠を探すことにするか。しかし、地図の場所にたどり着いても、それらしきものは見当たらない。現地の人に聞いても、どうも要領を得ない。1時間以上辺りをうろうろしたが、どうしても見つからない。少々歩きつかれて、私は黄忠の祠を探すことを断念した。交通飯店に戻り、私はインターネットカフェであるサイトにアクセスして、黄忠の祠の情報を検索してみた。それによると、あろうことかその祠は既に消滅済みだという。
しまった。先に確認をしておくべきだった。お陰で無駄足を踏んでしまった。

一昨日足を運んだ交通旅行社で、翌日からのチベットの九寨溝・黄龍ツアーを申し込む。いよいよあの美しい光景を目の当たりにすることができる。今から楽しみだ。

しかし、全てが楽しかった旅行は、この日が最後となった。

注:パンダを「中国の動物」と認識している方が大半だと思われるが、現在、野生のパンダが生息している地域の大部分は中国ではなく本来チベットの版図である

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