バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

チベット、大陸中国周遊

北京―天津―大連 ~旅の終わり

2001年8月18日

28日ぶりに北京に戻ってきた。あとは大連に戻るばかりだが、列車の切符は予想通り購入できなかった。しかし、幸い北京から列車で1時間の天津まで行けば、大連まで行くフェリーが出ている。それに乗ることにした私は、北京市内の船の切符売り場に向かったが、まだ時間はある。ちょうど途中に故宮があるので、そこを通り抜けて行くことにした。

故宮は相変わらず素晴らしい建造物だが、2度目となるとさすがに感動も薄い。それに時間もそんなにたっぷりある訳でもない。比較的足早に通り抜けて、北門から外に出た。

切符売り場に到着し、その日の午後発の大連行きの切符を求めた。しかし、である。
当日の切符はここでは売りませんよ」。 窓口の男が事務的な口調で返してきた。
早く大連に戻りたかった私は、直接天津新港に行って切符を買い求める手段に切り替えることにした。ちょうどそこにいた中国人女性が、天津新港への直行バスの出るターミナルを教えてくれた。しかし、地図で見ただけでも遠すぎる。親切はありがたかったが、私は列車で天津に向かう方法を選んだ。
北京―天津間は列車が頻発しており、切符は買い求めやすい。実際、私も発車5分前列車の指定席を買うことができた。車体は最新式で乗り心地もよく、時間も1時間程度で済む。天津までの移動は、快適そのものだった。

天津駅に到着。まずはバスを探したが、見つからない。そこへ、タクシーの運転手が声をかけてきた。
「埠頭まで幾らだ?」。私は彼に尋ねた。彼によると、100元が相場だという。私が少し考える素振りを見せると、彼はさらに続けた。
「もしメーターで100元に届かなかったらその値段でいいし、超えても100元でいいよ。どうだい?」
悪くない。私はその条件にOKして、車に乗り込んだ。
途中、少し道を間違えたりしたものの、タクシーは港に到着。メーターは、彼の言葉通り、120元程度だった。私は彼に礼を言って車を降り、港の切符売り場に向かった。
今度こそ買い求めることができた。しばらく待った後、午後3時、乗船。明朝には大連に到着する。

2001年8月19日

早朝、乗客たちの動きが慌しくなってきた。表に出ると、大連港が見えてきた。以前、船で大連入りした時は、霧で何も見えなかったが、今回はくっきりと、見慣れた大連の街並みが海の向こうに見える。
32日間の旅が終わり、ようやく大連に戻ってきた。

当時の私にとって、これが旅の最長記録。

少々疲れた感があった。
※数年後にはその何倍も長い旅をすることになるのだが

最長記録を大幅に更新した今回の旅は、確かに得るところが多かった。しかし、同時に不機嫌にさせられる出来事も少なくなく、後に抱くことになるこの国に対する不信感の遠因となったことは否めない。

<完>

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