タンペレ ~ムーミン美術館
2018年1月4日
ナーンタリでムーミンワールドに入ることができなかった私は、サンドイッチとムーミンのラベルの清涼飲料を昼食に、列車に揺られて次の街へと移動した。
この日の昼食。ペットボトルのラベルはムーミントゥルクから南東へ約1時間40分。到着したのはタンペレ。この日たどったヘルシンキ、トゥルク、タンペレを結ぶとほぼ正三角形という位置関係になる。
駅から目的地に向かう途中、茶色い壁に緑の屋根の尖塔というクラシカルな建築物が目に留まった。タンペレ東方正教会である。
フィンランドの宗教はフィンランド福音ルター派教会が多数なのだが、東にロシアと国境を接していることもあって、フィンランド正教会も一定の勢力を持っているのだ。
タンペレ東方正教会跨線橋を渡って鉄道の反対側へ。程なくして左手に、今度は近代的な建物が見えてきた。タンペレ・タロというこのホール内にあるのが、ムーミン美術館である。
タンペレ・タロ。この中にムーミン美術館がある原作者トーベ・ヤンソンによる『ムーミン』の小説は全部で9作品ある。この博物館ではそれらの作品ごとの展示を軸にムーミンの登場人物、世界観を解説している。
そんな中、あるテーマに絞った展示に興味を引きつけられた。白く細長い胴体に2つの目と2つの手―― Hattifnatt(ハティフナット 日本名ニョロニョロ)である。壁に映し出されたニョロニョロに稲妻が落ちるアニメーションを見て、「あー、そう言えばコイツは帯電しているんだっけ」などと、子供の頃に見ていたTVアニメを思い起こさせられた。
その他にも、人間の大人ほどの大きさに再現されたジャンボ絵本、昨日ナーンタリで遠目にだけ見たムーミンハウスのミニチュア、そしてトーベ・ヤンソン本人が物語を朗読する音声など、少しでもムーミンに慣れ親しんだことのある者にとっては心底楽しむことができる空間だ。
ムーミン美術館入り口
館内は撮影禁止だが外に撮影スポットがあるナーンタリでムーミンワールドに入ることができなかった無念もかなり晴らすことができたメルヘンワールドだった。久々に童心に返ることができた気分そのままに、私はこの日三度目の列車でヘルシンキへの帰路に就いた。
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