バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

香港(2000年)

夜のネイザン・ロード ~眠らない街

2000年4月30日

尖沙咀に着くと、船着き場近くのセブン・イレブンで青島ビールとつまみの鶏の唐揚げらしきものを買い込んで、重慶大厦に戻った。
私の荷物は、あの客引きの男が言っていた通り、きちんと予定の部屋に移されていた。物色された様子もなく、確かに"No Problem"だったようだ。
翌日の計画を考えつつ、晩酌をしたが、つまみの鶏の唐揚げは、肉がついておらず、何やらポリポリと骨っぽい。もう一度、パッケージを見てみると、それは鶏肉の唐揚げではなく、鶏の足の唐揚げだったのだ。(もも肉のことではない。足首から下の、あの部分である)
考えていたものとは違うものを買ってしまっていたわけだが、私はむしろ、この勘違いを幸運に思った。というのは、展望台で取った食事に比べ、この一品は「いかにも広東料理」といったゲテモノ(?)で、香港でものを食べている気分になれたからだ。
しかし、喜んで食べ進めているうちに、胸焼けがしてきた。
油っこい!
ビールで洗い流そうとしたものの、その油っこさはなかなか抜けてくれない。
とても一人では食べきれず、この宿には冷蔵庫も無かったので、残念ながら残りの3分の1は、ゴミ箱行きとなってしまった。

それにしても、夜も11時を回っているというのに、窓の外に見えるネイザン・ロード(彌敦道)は、昼間のようににぎわっている。バスはまだ走っているし、人通りも多いし、開いている店も結構あるようだ。
窓から眺めるだけじゃ、物足りない…
こんな夜中に香港の繁華街を一人でうろつくのは物騒じゃないか、という不安も、その衝動を抑えることはできなかった。
私は、夜のネイザン・ロードへと飛び出した。
夜のネイザン・ロード
夜もにぎわうネイザン・ロード

夜の香港は、活気があると同時に、妖しげな雰囲気があった。
人々の話し声と、車のエンジン音と、信号機のガリガリいう音が、独特の喧噪を生み出している。
カメラ屋や土産屋などが商魂たくましく店を開けており、歩道には中国人はもちろんのこと、インド人やフィリピン人などの人々が闊歩し、たむろしている。
女性の姿も目立った。ストリートガールとおぼしき者も中にはいたが、ほとんどはごく普通の人で、一人歩きの女性も見受けられた。
先ほど皇后像広場でも感じたのだが、夜の街を女性がこれだけ堂々と歩く姿を見ていると、私は「香港は治安が良くない」と思いこみ過ぎていたのではないだろうか、という気になってくる。
もちろん、裏通りに入ればこうはいかないだろうし、表通りでも、警官が何人も目を光らせている。女性が一人歩きできるのも、彼らの努力あってのことだろう。表通りを少し歩いたぐらいで、安全だと思い込むのは、やはり早計かもしれない。

ひとしきり雰囲気を堪能して、私は宿に戻り、翌日に備えて床に就いた。

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