バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

香港(2000年)

尖沙咀、香港島北側 ~スターフェリー、ビクトリア・パーク等

2000年5月1日

朝目覚めると、昨日より雲行きはよさそうだ。今日はいい夜景を見ることができるかもしれない。
まずは近くの安食堂に入り、朝食を取ることにした。メニューの中から選んだのは、ラーメンとハムエッグのセット。いかにもイギリスから中国に返還された香港らしい組み合わせだ。
しかし、2皿出てくると思いきや、出てきたのはどんぶり1つだけ。ラーメンの上にハムエッグが乗っていたのだ。確かに、お品書きの通りではあるのだが、少し損をした気分だ。

まず、海沿いの遊歩道・尖沙咀プロムナードを散歩。
船着き場へ向けて歩く通勤者や、朝の散歩をする外国人旅行者、ジョギングをする者など、いろいろな人が、ビクトリア湾の向こうに見える香港島の光景を楽しみながら、足を運ばせている。
私もここを散歩しながら、船着き場を目指して遊歩道を歩いた。
それにしても、暑い。汗が吹き出てくる。無理もない。香港は亜熱帯に位置しているのだから。

尖沙咀プロムナード
朝の尖沙咀プロムナード
スターフェリーの船着場
スターフェリーの船着場

尖沙咀からスターフェリーに乗り、対岸の香港島・灣仔へと向かう。
初日も九龍-香港島間を往復はしたが、地下鉄利用だった。以後何度も香港を訪れて何度もスターフェリーに乗ることになるのだが、これが記念すべき?初スターフェリーである。潮風を受けながら、ちょっとした船旅気分だ。
対岸の船着き場に到着し、次の目的地に向かうバスを探したが、見つからない。仕方なく、船着き場から少し離れた所にある地下鉄駅を目指した。
ビクトリア・パーク
ビクトリア・パーク

銅鑼駅で下車し、向かったのはビクトリア・パーク
ピクニックの家族連れ、散歩する女性たちや托鉢僧 ―― いろんな人々の憩いの場となっている。
公園だけを見れば、だだっ広い広場という感じで、これといった特徴は見られないのだが、ビルばかりが建ち並ぶ香港の街中にあってこれだけ緑がある場所は珍しく、「都会のオアシス」といったところか。

しばらくこの公園を散歩した後、再び地下鉄に乗って、中環へと向かう。
中環はオフィス街であり、九龍に比べると小ぎれいで、猥雑な雰囲気にも欠けるが、メインストリートである徳輔道(デ・ボー・ロード)には香港名物のトラム(路面電車)が走っており、ネイザン・ロードと1、2を争う「香港らしい街」と言っていいだろう。
徳輔道
トラムと2階建てバスが走る徳輔道

街中を歩いていると、長いエスカレーターが目に入った。
山がちな香港島にあって、市民の足になっているヒルサイド・エスカレーター半山區電動樓梯)だ。
かなり高いところまで続いているようだが、一体どこまであるのだろうか。
―― 登ってみるか。
私は”天国への階段”に足を踏み入れた。

長距離エスカレーターとはいっても、最後まで1本でつながっているわけではなく、幾つのもエスカレーターが連なっている形だ。道路との交差やカーブなど、要所要所でいったん降りて、歩くことになる。
民家や商店などの間をぬって走っているので、そこから見える光景は、香港庶民の日常そのものだ。

 ―― それにしても、一体、幾つ乗り継いできただろうか。
それでも、なかなか終点は見えてこない。
ヒルサイド・エスカレーター
ヒルサイド・エスカレーター(下から)
ヒルサイド・エスカレーター
ヒルサイド・エスカレーター(上から)
最低でも10基は乗り継いだだろう。ようやく最後のエスカレーターを登りつめた。しかし、そこはいかにも「もうこれ以上、上はありませんよ」と言わんばかりに、ひっそりとした場所だった。
景色がいいわけでもなく、何かの店があるわけでもない。やはりこのエスカレーターは、観光地ではなく、あくまで庶民の足なのだ。
私はここを、すぐに引き返した。
とは言っても、ここにたどり着くまでに香港の庶民的な雰囲気を味わうことができたので、満足はしていた。

このエスカレーターは「単線」で、時間によって上りか下りのどちらかにしか動かない。従って、帰りは階段を自分の足で下りていくことになる。
幸い、あの万里の長城の階段ほど傾斜はきつくなく、建物の陰で日差しも幾分遮られていたので、歩きとはいえ、それ程きつくはなかった。

都会の次は、自然を満喫すべく、私はバスターミナルへ向かった。

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