バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

大陸中国・重慶―三峡―赤壁

大足 ~仏たちの山

2000年9月23日

目が覚めると、船の予約証明書紛失でパニックになりかけていた気分も、かなり落ち着いていた。
私はチェックアウトすると、ホテルの目の前にある重慶駅へ向かった。手荷物預かり所にバックパックを預け、身軽になったところで、さあ、大足へ出発だ ―― と、その前に、やらなければいけないことがあった。
前日、白タク野郎に余計な所へ引きずり回されたお陰で営業時間内に行けなかった民航チケットオフィスに行って、帰りの飛行機のリコンファームを今のうちにやっておかなければ、船に乗っている間に、出発72時間前を過ぎてしまう。大足へのバスの時間を確認して、私はチケットオフィスへと急いだ。
中山路にあるチケットオフィスには、中国国内の航空会社各社の窓口があり、リコンファームはあっけない程簡単に終わってしまった。バスの時間に間に合うよう、私は再び駅へと急いだ。

重慶から大足は高速道路で結ばれており、車体そのものの乗り心地は別として、以前西安-洛陽で味わったようなひどい揺れに悩まされることもない。3時間ほどの比較的快適なバスの旅で、大足にたどり着いた。

大足は“仏たちの山”。
宝頂山北山など、仏教や道教の彫刻が無数に刻まれた山々を誇る街だ。
宝頂山の石像群
宝頂山の石像群
釈迦涅槃聖跡図
釈迦涅槃聖跡図
ターミナルでバスを降りると、私はそのまま宝頂山行きのミニバスに乗り込んだ。しかし、他のバスが次々と発進していく中、私の乗ったバスには一向に客が集まらない。
(中国のミニバスは、客がある程度集まらないと発車しないのだ)
ターミナルに着いてから1時間近く ―― しびれを切らした私はこのバスを利用することをやめた。バスを降り、タクシーや輪タクがたむろしている所に行くと、バイクの青年が「宝頂山まで乗っていかないか」と声をかけてくる。
私は、中国だけに限らず、日本でも、バイクという物に乗ったことがなかった。ここで経験してみるのも、悪くはない。私は運転席の後ろに座り、宝頂山へと向かった。
田舎道をバイクに乗って風を切る感覚は、最高に気分がいい。しかし、中国人はヘルメットを被らないので、私もノーヘルだ。それだけが気になって、転倒しやしないかと少し冷や冷やものだった。

宝頂山の石刻は、12世紀に造られたもので、洛陽で見た南北朝時代の龍門石窟とはまた、趣を異にしている。龍門が石の色そのままなのに対して、こちらは色が施されている。しかし、決して中国にありがちな派手な配色ではなく、淡い落ち着いた色だ。
大きな石像が幾つも並ぶ中、一際目に付くのが釈迦涅槃聖跡図だ。身長30メートルもの仏が、帝釈天らを従えてゆったりと横たわっている。信心ゼロの私だが、これを見ていると何か、心が安らいでいく気がした。

再びバイクタクシーに乗って、北山へと向かう。
宝頂山の石像が大きく色鮮やかなのに対し、北山の石像は、石の色そのままで、こぢんまりとしている。その代わり、こちらは5000体と、数が半端ではない。
しかし、やはり宝頂山の石像群に比べると、もの足りなく、いまひとつ心が引かれなかった。こちらは、本当の信心が無ければ、感動できないかもしれない。

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