バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

中国・雲南、貴州

石林・1 ~奇岩の森での交流

2002年1月26日

前日に購入しておいた往復切符で、昆明郊外の名勝・石林へ向かう。
石林に向かう昆明駅からの列車には、駅舎の向かって左側にある、他の列車とは別の入り口から乗車する。私は乗車する寸前まで知らなかったのだが、切符売り場も石林行きだけは、一般の売り場とは別にそこにある。 石林行きの列車内
石林行きの列車で乗客に声をかけるガイドたち
この日は土曜日だったが、車内には空席もあり、本来は指定席のところが自由席と同じ状態だった。
列車が出発して程なくして、民族衣装をまとったガイドが石林の説明を始める。それが終わると、ツアーへの参加を勧誘。私のところにも1人のガイドが来た。話を聞くと、入場料・ガイド・昼食込みで乃古石林・李子箐石林を巡って、学生料金で100元だという。決して高くはない、いやむしろ、お得な料金と言っていいくらいだ。私はツアーに参加することにした。
石林への到着を待っていると、1人の若い男が声をかけてきた。カメラの使い方が分からないらしい。
―― おや? この男性、どこかで見たぞ。
私がそう思ったところ、彼の方から言ってきた。
大連からの飛行機で、一緒でしたね
そうだ。彼は子供たちを連れて、大きなテレビカメラを担いで飛行機に乗っていた男性だ。よく見ると、3人の子供たちと、もう1人いた女性クルーもこの車両に乗り合わせている。思いがけない再会だ。
彼らは大連テレビの社員で、やはり企画番組の撮影で雲南に来たという。
やがて、列車は石林の駅に到着。ツアーに申し込んだ観光客たちは、旅行会社の用意したバスに乗り込んだ。しかし、座席が僅かに足りない。そこで、大連テレビの一行が別のミニバンに分乗することになった。
「一緒に行きましょう」
彼らに誘われて、私もそのミニバンに乗り、最初の目的地・乃古石林へと向かった。
乃古石林
乃古石林
石林は文字通りの石の林、否、“奇岩の森”と言った方が相応しいかもしれない。石灰岩がまさしく木のように、地面から“生えて”いる。カルスト地形の名勝は、桂林といい、黄龍といい、神秘に満ちたものばかりだ。このような光景が数多く見られるということが、中国の大地が広大であることの証明なのかもしれない。
これだけの眺めが見られる場所だというのに、遊客は列車内でツアーに参加した者ぐらいだ。 鍾乳洞
石林の鍾乳洞と、旅のお供となった子供たち(右)
しかし、人だらけで雰囲気を損なわれるよりはこの方が落ち着いて自然を堪能できて、ずっといい。
カルスト地形の場所だけあって、石林には鍾乳洞も多い。ただ、内部が色とりどりのライトで照らされているのは、以前桂林で見た鍾乳洞と同じ。もう少し自然の色を見せてほしいものである。
景色を眺めるのも楽しいが、行動を共にしたテレビクルーや子供たちとの交流は、もっと楽しかった。私自身も元マスコミ関係者だったことや、女性の方が大連で別の日本人留学生と交流があり、日本に対する認識が深く正確なことなども手伝って、話は自然と弾んだ。子供たちも素直で元気ないい子ばかり。生意気な餓鬼どもにうんざりさせられることの多かった私の目には、 彼らの天真さがとても新鮮に映った。

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