バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第4部 ネパール

ポカラ・1 ~マチャプチャレ峰が見えた!

2007年8月1日

ポカラに来る旅行者は、湖畔でのんびりすること、アンナプルナ・ヒマラヤを見ること、トレッキングなどを目的にしている。
私の目的は、アンナプルナ・ヒマラヤを見ること(この頃はトレッキングには興味が無かった)である。やはり、チベットのチョモランマ・ベースキャンプまで行きながらチョモランマの全貌を見ることができなかった悔しさが、今でもまだ拭い去ることができないのだ。
しかし、折しもネパールは雨季。たとえ雨は降らなくとも、空はどんよりと曇っている。私より数日前に来たムンシクも、来てからずっと雨か曇りの天気が続いている、という。
この日も早朝は大雨。8時ごろには上がったので、レイクサイドの中心部やその近くの湖岸などを散歩。昨日とは違った角度からフェワ湖のいい景色を見ることができた。

フェワ湖
フェワ湖
牛
このあたりの牛は大人しい

宿の近くに戻ると、が住宅地の往来を闊歩するという光景にお目にかかった。まるで犬や猫かのように、ごく当たり前に街中にいるのである。
ネパールもヒンドゥー教が盛んである。ヒンドゥー教で神聖視されている牛が闊歩するのもまたネパールらしい光景だと言えるだろう。
ただ、ここでお目にかかった牛は、比較的小柄で、近くに寄って触ることができるほど大人しかった。

<後日談>
このあたりの牛が如何に大人しいかは後日、別の国のある街であらためて実感することになる。

その往来のカフェに、カトマンズのドミトリーで同室だった日本人男性がいた。どうやら、私たちが泊まっているゲストハウス(GH)の向かいにあるペンギンGHに泊まっているようだ。
「ペンギンGHどうですか?」
「いや、あそこは出るつもりです。オーナーも宿泊客も『吸う』人ばかりなので。俺は吸わないから」
ここで言う「吸う」の対象は、マリフアナだ。こういうものが手に届いてしまう距離にまで来てしまうところが、このあたりを個人で旅行する際に気を付けたい大いなる誘惑である。

ポカラはレンタサイクルで巡るのが便利だ。午後から自転車を借りて、まずツーリスト・バスパークへ。そこでムンシクと合流し、カトマンズからのバスの到着を待っていると、下りてくる乗客の中に、ワタルの姿を見つけた。彼をゴータマGHに案内した後、3人でフェワ湖北岸をサイクリングする。
天気は、昨日ほど悪くはない。しかし、ヒマラヤが見えるはずの北の空は、相変わらず雲がかかっている。
トゥンパ
ネパール独特の酒・トゥンパ
帰り道、とあるレストランで可愛いお婆ちゃんに呼びかけられたのと、その店に目を見張るほどの美人ネパリ(ネパール人)が居たのに引き寄せられて、一休みする。
トゥンパというネパール独特の酒を試してみた。キビの実を発酵させて作ったヨーグルト風味のする軽い酒で、お湯を注ぎ足すことで1回で数杯飲むことができる。

サイクリングを終え、日が西に傾いてきた頃だった。
夕食で入った建物屋上のレストランで、注文した料理を待っていると、北の方を向いていたムンシクがふと言う。
「あれ、雪山じゃない?」
ムンシクが目を向けた方向を見て、私は思わず、
「ホンマや!」
と、関西弁で絶叫してしまった。
雲の隙間から、確かにマチャプチャレ峰がその三角帽子を突き出していたのである。ほんの僅かではあったが、ついに今回の旅で初めて、大雪山の頂を見ることができた。

マチャプチャレ
夕暮れの雲間から雄姿をのぞかせたマチャプチャレ

山は程なくして雲の中に隠れてしまったが、やがて暗くなると、頭の上は満天の星空だ。
[明日は、期待できるかもしれない…]
と思ったのもつかの間、食事が終わる頃には、空はまた雲に覆われてしまっていた。

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