バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第8部 カンボジア、ベトナム、ラオス

地雷博物館、キリング・フィールド ~内戦繰り返すまじ

2007年10月24日

バンテアイ・スレイ及びクバール・スピアンからシェムリアップに戻る途中に、これまでのアンコール遺跡とは全く違う、カンボジアという国の別の顔を知らせてくれる場所があった。
地雷博物館
地雷博物館

地雷博物館

既にご存じの通り、カンボジア内戦の際には無数の地雷が埋め込まれ、内戦中のみならず内戦終了後も大勢の人々が地雷のために手足を失ったり命を落としたりしている。ここはその悲劇を語り伝える博物館だ。
(以前はシェムリアップ市内にあったものが移転したようである)

地雷撤去に尽力しているアキー・ラー氏が設立した博物館で、小さな敷地の中で、地雷ほか内戦で使われた武器の展示や地雷の説明がなされている。中庭は地雷が実際に使われていた現場さながらに造られており、赤い看板に白い文字で、ドクロの絵とともに書かれた「Danger!! Mine!!(危険!地雷!)」の注意書きが生々しい。

地雷博物館の展示
地雷博物館の展示。左側の写真がアキー・ラー氏
Danger!! Mine!!
この看板を見かけたら要注意

シェムリアップ市内に戻ってもう一つ、街の北側にある内戦関連の場所を訪れる。
毛沢東思想にかぶれたポル・ポトら率いる極左集団クメール・ルージュが行った虐殺の語り部キリング・フィールドである。カンボジア内戦を描いた同名の映画も有名だ。
キリング・フィールド
キリング・フィールド。左に見えるのが慰霊塔
ここシェムリアップでも、1975~79年の間に数千人もの人々が身勝手なイデオロギーのために殺されたという。
入り口を抜けて左側奥にある、現在は仏教僧の宿舎として使われている建物は、かつて刑務所として使われていた建物だ。
中庭には慰霊塔が建てられている。その中には、この周辺で発見された無数の頭骸骨が収められていて、虐殺を声なき声で生々しく語っている。
敷地内には、日本の愛知県の協力で建てられた学校がある。ここで殺された人々の悲劇を繰り返さないよう、この学校で子供たちを正しい方向に導いてくれることを願って止まない。

カンボジアだけではない。世界中で、このようなことは決して繰り返されてはならない。

この日でシェムリアップ、そしてアンコール遺跡巡りは終了。古き時代のこと、つい最近のこと、いろいろなことに思いを巡らせた滞在だった。
素晴らしい文化を花開かせながら戦争のために放棄され、忘れ去られてしまっていたアンコール、多くの犠牲者を出した内戦 ―― 平和についてもあらためて考えさせられた。

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