バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第10部 ベトナム北・中部

ハノイ-1 ~ホアンキエム湖の亀伝説

2007年12月2日

列車は予定より少し遅れて6時すぎ、ハノイに到着した。下車した乗客の多くは駅裏へと向かっていたが、私は少数の客について駅舎のあるサイドへと移動する。

地図を見たところ、駅から目指す場所までそう遠くはなさそうだったので歩いてそこまで行くことにする。しかし、歩いているうちに通りの名前が地図と一致していないことに気がついた。もう一度、地図を確認してみると、私がハノイ駅だと思っていた駅の地図記号の上には
ロンビエン駅
と書かれているではないか。
[間違えた…]
しかし、ここは落ち着いて、今自分がどこにいるかを確認することにした。バス停を見つけ、そこにある地図で現在地を確認したところ、確かに自分が思っていた場所とは違っていたが、どうやら歩く方向は間違っていないようだった。勢いで、そのまま歩いて目的地であるホアンキエム湖に到着。近くにあるYouth Hotel(ユースホステルではない)のドミトリーに宿を定める。

バックパックを置いてすぐに外出。近くの屋台でフォー(ベトナム風うどん)を食べてホアンキエム湖畔に出る。

玉山祠
玉山祠
大亀の剥製
大亀の剥製

湖の北側にある小さな島には玉山祠という祠がある。その名が示すとおり、ベトナムが歴史的に強い影響を受けている中国の様式の祠で、地元の呼び名であるĐền Ngọc Sơnよりも「玉山祠」の方が日本では通りがいい。看板等も漢字だらけで、中国に戻ってきてしまったかのような感覚すら受ける。 亀の塔
ホアンキエム湖の亀の塔

ホアンキエム湖は一つの伝説がある。
明の支配を受けていた15世紀前半、レー(黎)朝創始者のレ・ロイ(黎利)が、この湖にすむ大亀から授かった宝剣で明軍を撤退させてベトナムを中国による支配から解放し、その後宝剣を大亀に返還した、というものである(ちなみに「ホアンキエム」は漢字で書くと「還剣」である)。
玉山祠得月楼入り口の左下には宝剣返還を描いた絵があり、また堂内にはこの湖で見つかったといわれる大亀の剥製が展示されている。湖の南側には亀の塔も建っており、ハノイ市民の亀に対する特別な思いが窺い知れる。

中国様式の祠の中で、対中レジスタンスへの称賛 ―― 中国に対するベトナムの複雑な立ち位置・感情を象徴しているようにも思われた。

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