バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ジャワ島(インドネシア)、シンガポール

ボロブドゥール-4 ~サンライズ

2010年5月2日

まだ夜も明けきらぬ ―― と言うよりはまだ真夜中の午前4時。宿を出ようとするが、扉に南京錠が掛かっている。申し訳ないが宿のおばさんを起こして鍵を開けてもらう。
表は真っ暗で人通りも全く無いので、頭に強力なヘッドライト、右手にいざという時に武器になるよう三脚を握りしめて、昨日訪れたホテル・マノハラまで少しビクビクしながら歩く。
夜明け前のボロブドゥール遺跡
夜明け前のボロブドゥール遺跡
人通りは無くとも、アザーン(イスラムの礼拝への呼び掛け)の音だけは響き渡っている。いかにイスラムが強い国とはいえ、仏教遺跡のすぐそばでイスラムというのもいささかミスマッチだ。

4時30分。ガイドの「出発します」の言葉を合図に、マノハラのフロントに集まった数人の外国人旅行者たちは一般開場時間(6時)前のボロブドゥール史跡公園に入場する。園内では、表のアザーンに負けじと仏教のお経が響き渡っていた。
遺跡に到着し、ガイドと私以外の参加者は円壇のある最上部に直行するが、私は一人、途中の回廊をコルラしながらゆっくりと上った。
最上部に上った5時前後はまだ辺りは真っ暗だったが、15分ほどすると、東の空がほのかに赤みを帯びてきた。そして5時半 ―― 東の空は鮮やかなピンク色になり、日中は無骨な灰色の遺跡も空と同じピンク色に染め上げられた。

ボロブドゥール遺跡
朝陽に染まるボロブドゥール遺跡

サンライズ ―― 噂には聞いていたが、ボロブドゥールから見る朝焼けの風景はその噂通りの美しさだった。昨日の夕陽の風景はちょっとがっかりだったが、その「がっかり」もこの景色の前に完全にかき消された。
この景色を見ようと、マノハラの「サンライズツアー」参加者以外にも、日本人を含めた大勢の外国人旅行者が集まった。 ボロブドゥール遺跡の仏様もサンライズを拝む
仏様もサンライズを拝む
ツアー参加者以外は恐らく、史跡公園にいつでも何度でも出入りすることができるマノハラの宿泊者だろう。
旅行客のほかにもう1人、朝陽を見つめる者がいた ―― いや、いらっしゃった。この円壇部分には一体だけ表に露出している仏像があるのだが、この仏像がちょうど東を向いていて、あたかも朝陽に祈りを捧げるような格好になっているのである。

仏教の聖地でかくも見事な景色を見ることができたことに感謝をしたい ―― 2007年にチベット・シガツェのタシルンポ僧院で青空が見えた時と同じような衝動に駆られ、私は用意していたマニ車を回し、マントラを唱えながら円壇の周りをコルラすることでその感謝の意を表した。

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