バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

ラマユル・ゴンパ

2011年9月25日

ラマユルでの「宿の目星はつけていたのだが、そちらの方向に向かって坂を上り始めるや否や、
「Homestay?」
と、ラダッキ(ラダック人)の男性に声をかけられた。値段を聞いてみると、1泊150ルピーだという。安いし、これまでの経験からまたホームステイをするのも悪くないと思ったので、その話に乗ることにした。但し、この宿に限らずこの一帯はホットシャワーが出ないとのことで、日中またしても寒さに震えながら水で体を洗うことになる。

「JULLY HOME STAY」というその宿で昼食をとった後、ここに立ち寄った唯一の目的であるラマユル・ゴンパを目指す。

まず目を見張るのは、その外観だ。真っ白な壁、赤茶色の屋根や窓枠がまばゆいほど奇麗なのは19世紀にドグラとの戦争で破壊されたのを再建したものであるからだが、元の姿が立派なものでなければ、これ程のずっしりとした安定感をもって再建されることはあり得ないだろう。
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中でも私の心を引きつけたのが、本堂に隣接するチョルテン(仏塔)群である。大小18基もあるという中、とりわけ大きな2基はやはり近年になって再建されたものであることは明白だが、スノーライオンや孔雀のレリーフがあしらわれていたりして存在感は格別だ。
チョルテン群
その他小さなチョルテンも、マニ石(経文やマントラ等が刻まれた石)が無数に供えられていて、信仰の具としての役割を果たしている。
チョルテンの林全体の周囲には周回路と、マニ車が設置されている。回しながら歩いていると、一体いつになったら終わるのだろうと思わさせられるほどの数がある。それだけチョルテンの林が広いということだ。そしてよく見ると、マニ車とマニ車の間には石に描かれた仏様が安置されている。まるで、マニ車を回して歩く人々を見守っているかのようだ。
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普通なら本堂が主役でチョルテンは脇役、というバランスが普通だが、このゴンパでは本堂とチョルテン群が言わば“双頭の鷲”の如く対等なバランスで存在している。

再建されたが故の真新しさということもあるが、このゴンパの外観の立派さは、これまで見た中でもかなりのレベルに達していると言えるだろう。

――え? 中はどうかと?
まあ――元々あったものはドグラとの戦争で破壊されたようなので――ごくごく平凡だった。

一旦下界に下りて色々な角度からのゴンパの眺めを楽しんだが、チョルテン群をもう一度見たい余りにまた上って、マニ車を回しながら周回してしまった。
その帰り道、偶然宿の主人と出くわした。挨拶をして、分かれ道の右側を行こうとすると、
「仏教的には左側を行くのが正しいですよ」
と言われた。よく見ると、分かれ道の間にはマニ石がびっしりと敷き詰められたマニ壇が横たわっていた。なるほど、聖地を回る場合は右回りに歩くというチベット仏教の原則を考えると、確かにこの場合はマニ壇の左を歩くのが正しい。
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それにしても、このゴンパは今まで見たどこよりも、マニ石が多いような気がする。

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