台北-4 ~陽明山
台湾名物・魯肉飯
故宮博物院から一旦バスで士林駅に戻り、台湾名物の魯肉飯(豚そぼろ丼)で胃袋を満たした後、今度は別のバスで台北市最北端に近い場所へと向かう。
陽明山は、台北市最北端と言うよりも、殆ど台湾最北端と言ってもいい地点に位置する火山系の山地であり、国家公園(日本で言う国立公園)に指定されている。火山系なので、箱根の大涌谷のような硫黄の臭いが立ち込める谷の光景を見ることができる――はずなのだが、予備知識も殆ど無しに適当に歩き回った私は、残念ながらそうした光景には出逢うことができなかった。
しかし、箱根が火山の風景ばかりではないのと同様に、陽明山も火山の風景ばかりの場所ではない。私は陽明山の“緑”の部分を大いに楽しんできた。
陽明山の遊歩道。花がきれいに咲いている
やたら大きな里芋の葉
冬真っ盛りではあったが、陽明山の木々は日本などで「冬」と言えば連想されるようなもの寂しさは無い。確かに木の葉は少々少なめだが、今まさに花を咲かせている木もある。
森の中はうっそうとしていて、苔やシダなど、湿度の高さを表す植物が至る所に生えている。
樹木のトンネル
清涼感ある滝
そして、それら植物の規模が半端ではない。シダは日本で見るものの1.5倍ぐらいの大きさがあるだろうか。その他にも、日本の某アニメ映画に登場するちょっと可愛い怪物が傘にするのに十分なのではないかと思われるくらい大きな里芋の葉が生えていたり、根っこの間がトンネルになっていてその間を人が余裕で通れるほどの樹木が生えていたりもした。先述の映画と同じ製作会社の某アニメ映画のように、虫も巨大化しているのではないか、という妄想にすら駆られてしまう。
暫く山道を歩いていると、小さな川とちょっとした滝に行き着いた。前日に淡水へ行った時も感じたのだが、水がある風景というのは、清涼感があり、せせらぎや波の音なども心に響いてきて、気持ちを落ち着かせてくれる。水は生命の源、ということが人間の本能に訴えかけてきているのかもしれない。
ほんの1時間強の慌しい山歩きとなり、他に見るべきところを見逃したりもしてしまったが、台北という大都会にあってはなかなか拝めない風景を楽しませて頂いた。
思えば、旅に出る度にほぼ必ず一度はこんな感じで大なり小なり山歩きをしている。恐らくは、日本での都会暮らしに心が疲れての行動なのだろう。
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