バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

台湾西岸(2012~2013年)

台北-5 ~士林夜市

大勢の来客でごった返す士林夜市
大勢の来客でごった返す士林夜市
士林夜市。ファッション系の店が軒を並べる
ファッション系の店が軒を並べる
一旦宿に戻って、夜になるのを待つ。これから行こうとしているのは夜になってからが本番の場所なのだ。
「これからどこかへ出かけるんですか?」
出発しようとしたところ、ドミトリーで同室になった若い日本人男性が声をかけてきた。
「うん。夜市に行こうと思って」
「へえ、面白そうですね。一緒に行っていいですか?」
何の問題があろうか。私は彼と一緒に台湾の“夜の顔”へと繰り出した。

台北には幾つかの夜市があるが、今回私たちが向かったのは、一番アクセスのしやすい士林観光夜市だった。MRT(地下鉄)淡水線の駅からすぐの場所にあるのだが、名前からして士林駅で下りればいいのかと思いきや、実は中心街側から見て1つ手前の劍潭駅が最寄りである。

一歩中へ足を踏み入れると、人、人、人…前に進むのが難しいくらい、路上に人が溢れ返っている。大晦日だというのに――いやあるいは、大晦日だからなのだろうか。
入って暫くは、衣服やアクセサリーなど、ファッション関連の店が軒を並べている。そのせいか、ちょっと若々さ溢れる印象を受けた。私の若い連れも、この夜市の雰囲気にすっかり魅せられたようで、衣服を熱心に物色。今回は買わなかったものの、お気に入りを見つけたようで「明日もう一度来て、買います!」とやや興奮気味だった。

士林夜市の屋台
屋台。やはり台湾はこれがないと
士林夜市の食堂にて
士林夜市の食堂にて

暫くファッション街を歩いたところで、何か“匂い”を感じて左に曲がってみた。“匂い”とは言っても比喩であって実際に何かのいい匂いに鼻が反応した訳ではないのだが――行った先には、廟を中心に屋台街が広がっていた。 フルーツの店
フルーツの店。南国ならではの果物がある
日用品を売る店が並ぶ
日用品を売る店が並ぶ
麺、麺線、イカ焼き、串揚げ、スイーツ、臭豆腐(これだけは勘弁願いたい)、羊の串焼き(中国料理ではなくウイグル料理)、お好み焼き(れっきとした日本食)などなど、(臭豆腐は除いて)食指を動かされる屋台の数々が所狭しと並んでいる。
しかし、こうも人通りが多いと落ち着いて立ち食いもできないので、食事の方はテーブルに座れる食堂で取ることにした。せっかく連れがいるのだから普段あまり食べないものを――と、カニの唐揚げや鶏の紹興酒蒸しなどを頂く。

更に先へと進むと、アーケード街のような場所に出た。ここは日用品を売る露店が多い一角で、天井に電灯が点いているせいか、夜市という割には先ほど回ってきたファッション街や屋台街に比べるとかなり明るい。裏手には輪投げや射的など、夜市と言うよりは夜店のような一角もある。
果物を売る露店もあった。マンゴー、ドラゴンフルーツ、スターフルーツ、アテモヤなど、南国らしいトロピカルフルーツが色鮮やかに並んでいる。そんな中――臭豆腐に続いてはドリアンか。このへんの匂いは本当に、勘弁願いたい。

衣食あり、日用品あり、娯楽あり、信仰の場あり――この夜市という場所は、台湾の人々の「日常」そして「生活」が凝縮された場所だと言えるかもしれない。

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