バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

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ウシュマル ~森の中のマヤの遺跡

2016年10月19日

前ページで、取りあえずこの日巡ったメリダの様子を先に纏めて書いたが、実はこの日の午前中は、メリダから70㎞ほど南にあるウシュマルを訪れていた。

ウシュマルに行くにはメリダからが一番便利なのだが、個人で行くにはバスの本数が限られている。9時5分にメリダ市街南側にある2等バスターミナルをSUR社のバスで出発して10時半ごろに到着→2時間以内で参観→12時34分ごろに通過するメリダ行きのSUR社のバス(これを逃したら次は15時すぎ)に乗って戻る、というのが一番いい方法ではないかと思われる。

バスはメリダ市街を抜けると森の中の一本道を走る。ウシュマルはその一本道の途中にあった。

ウシュマルは、1000年前後前に築かれたとされるマヤ文明の遺跡である。
遺跡公園に入ってまず正面に見えてくるのは、魔法使いのピラミッド。先日テオティワカンで見たピラミッドと比べると四隅の角が丸みを帯びていて、上から見ると正方形ではなく平べったいのが特徴的だ。 ウシュマルの魔法使いのピラミッド
魔法使いのピラミッド
小人の魔法使いが一夜で造り上げたという伝説のあるピラミッドだが、それにしては高さ38m、土台73m×36mとそれなりに大きい。小人では石一つを持ち上げるのも大変そうなのだが、そこは「魔法使いだから」ということなのだろう。

ピラミッド正面の通路を南へ、更に西へと道なりに進むと、2つ目のピラミッドであるグラン・ピラミッドに行き着く。一面だけが木々の中から顔を出しているようなピラミッドだ。 ウシュマルのグラン・ピラミッド
グラン・ピラミッド
急勾配の階段を上まで登ってみた。先ほど見てきた魔法使いのピラミッドなどの遺跡が一望できるが、それ以外に見えるのは緑の森ばかり。ここが“森の中に潜む”遺跡であることがよく分かる風景だった。 ウシュマルのグラン・ピラミッドからの眺め
グラン・ピラミッドからの眺め
場内を歩いていると何やら地面をうごめいている姿をたびたび見かける。 イグアナ
イグアナ
イグアナだった。野生のものを目にするのはこれが初めてだった。日本で言えば鳩なみにそのへんを闊歩している。
人に危害を加える類の動物ではないので、人と上手く共存できているのだろう。

グラン・ピラミッドの2層目と連結する高台の上には細長いウシュマルの総督の宮殿(という名前が付いてはいるが実際にどのような用途だったかは不明)が建っている。壁の上に刻まれた幾何学的なレリーフが特徴的だ。 ウシュマルの総督の宮殿
総督の宮殿
この建物の前に鎮座するは、ジャガーの像。この中米の猛獣は守り神としてまさに打って付けのものと言えるだろう。 ジャガーの像
ジャガーの像
亀の家
亀の家
総督の宮殿の横には亀の家と呼ばれる小さな建物がある。建物の上部に亀の石彫が幾つも並んで飾られているのがその名の由来だ。どうやらこの亀、雨乞いの意味を持つものらしい。

高台を下りて再び魔法使いのピラミッドが見える方向に進むと、球戯場と呼ばれる遺構がある。バスケットゴールのようなリングが壁に付けられているが、どうやらバスケットボールのように手でゴールするのではなく、足でゴールするようなスポーツが行われていたらしい。 ウシュマルの球戯場
球戯場
更に進むと、壁に囲まれた広場に行き着く。「尼僧院」と呼ばれているが、実際にどのような役割だったかは定かではないようで、宮殿ではなかったかともされているようだ。
広場を囲む壁には、先ほど総督の宮殿で見たのと同じように、幾何学的なレリーフが刻まれている。 ウシュマルの尼僧院
尼僧院
スタート地点の魔法使いのピラミッドに戻って、遺跡巡り終了。先ほどバスを下りた道に戻って、帰りのバスが来るのを待ってメリダに戻る。

正直、先日訪れたテオティワカンと何が違うのかと言われると、よく分からない。しかし、1000年前のマヤ文明の様子が、その建築・信仰・自然への畏敬・スポーツといった方面で何となく感じることができる良い遺跡だった。

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