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チベット問題

チベット問題とは

チベットの環境破壊(1)

中国は最近になってようやく環境意識に高まりが見えてくるようになった、環境問題については遅れた国です。その中国による支配・占領を50年以上も受けてきているチベットでは、環境が著しく破壊されています。

失われる森林・草原

中国は、無計画な開墾や伐採で南モンゴルの草原や黄土高原を砂漠化させてきた前歴がありますが、同じことがチベットでも繰り返されようとしています。

まず樹木の伐採。チベット亡命政府によると、1949年には22万1800平方kmあったチベットの原生林が、1985年には13万4000平方kmにまで減少。36年の間で実に40%の原生林が消失したことになります。
同政府によれば、チベットの樹木は200年もの年月をかけて育ってきたものが多く、「傾斜がきつく、1日の温度変化が大きく、地表の温度が非常な高温となるなど、土地と湿度の困難な条件のために、再生と植林は最小であった。このような環境にあっては、伐採し尽くしてしまうともう元には戻らない」とのことです。

次に草原。侵略開始以降、草原は中国軍の囲い込み、中国から流入した移民のための農耕地化、遊牧民の強制定住政策のために家畜が牧草を求めて別の場所へ移動できなくなったことや過放牧による牧草地の破壊―などによって著しく侵食されています。自然環境の破壊も重大ですが、本来そこにいた遊牧民たちが重要な牧草の供給源を失い、遊牧の放棄と収容所さながらの場所での定住を強要されている事態も深刻となっています。

こうした緑の減少は、土壌浸食、河川の氾濫、CO2の増加に繋がり、そしてチベットに生息する30種以上の絶滅危惧種ほか各種生物の生存をも脅かしています。
そして、太陽光の反射量に変化が発生し、周辺地域の気候に変動が起きているという指摘もあります。

荒廃する農地

侵略前のチベットでは、寒冷高地に適したハダカ大麦(チベット人の主食ツァンパの原料)栽培を中心とした農耕が行われてきました。
しかし、侵略を境に、それは変わります。
中国当局は中国人移民の嗜好に合う小麦の栽培を推し進めるなど、チベットの環境に適さない農業を強制し、化学肥料を投与します。結果、小麦は壊滅し、土壌はやせ衰え、汚染されてしまいました。

鉱物搾取の影響

中国がチベットを侵略した理由、そして手放そうとしない最大の理由は、リチウム、クロム鉄鉱、銅、鉄を含む126種もの鉱物や、年間100万トンの原油を産出するというアムドの油田 ――これらを手中に収めるため、と言われています。そして、採掘に従事するのは専ら中国移民でチベット人は殆ど従事させてはもらえず、また、採取した鉱物を中国本国に持ち込むことを目的の一つとしたチベット鉄道が敷設されました。
その採掘は、十分な安全管理がとられないまま行われ、人間の健康と生活のほか、斜面の不安定化、土地の侵食への危険が指摘されています。

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