バス憧れの大地へ

日本100名城

100名城探訪記

東北・西北海道100名城(4)―根城、弘前城

2023年5月1日

岩手県・二戸駅を出発したいわて銀河鉄道の列車は、県境を越えて青森県に入ったすぐ先の目時駅から、青い森鉄道へと乗り入れる。目時から30分弱で、列車は終点駅の八戸に到着した。八戸は、以前青森巡りをした時には列車の乗り継ぎのみだったので、街に出るのはこれが初めてとなる。
八戸駅からバスで向かった城が、根城(100名城 No.5)である。
鎌倉幕府が滅び、「建武の新政」が敷かれた時期の1334年、陸奥国司として陸奥国に下向した南朝方の武将・北畠顕家と共にこの地に来た甲斐国の南部師行が築いた城だ。南朝方の根本となる城という願いから「根城」と名付けたといわれる。この日巡ってきた盛岡城、九戸城で聞いてきた北奥羽南部氏の「始まりの地」と言うことができよう。100名城のスタンプを頂いた八戸市博物館前では、馬にまたがった南部師行の銅像が出迎えてくれた。 八戸市博物館前の南部師行像
八戸市博物館前の南部師行像
八戸城東門
八戸城東門
八戸には根城のほか、支城である八戸城も建てられ、八戸市博物館には1857年再建の八戸城東門が移築されている。この門をくぐった先の広い「根城の広場」を横切った先に、根城の城跡はある。堀跡に架かる橋を渡り、坂道を上った先にある東門をくぐった柵の中が、その中枢部だ。 根城の堀跡
根城の堀跡
根城の東門
根城の東門
柵の中の曲輪では、掘立柱建物の柱穴に沿って御殿の輪郭が表現されている。復元された建物も多く、中央には1994年に復元された本丸主殿が存在感を放っている。 根城の御殿跡。奥中央が本丸主殿
根城の御殿跡。奥中央が本丸主殿
本丸主殿内部では当時の人々の営みの様子も再現され、その他の復元建造物でも、工房や馬屋など、当時の様子が生き生きと再現されている。 根城の本丸主殿内部
根城の本丸主殿内部
根城の馬屋(再現)
根城の馬屋(再現)

根城の参観を終え、八戸駅から再び青い森鉄道で青森まで移動し、更にJR奥羽本線に乗り換えて一気に弘前まで。普通に乗ると青森に入ってからの列車料金は3,850円かかるところだったが、青森県内の鈍行なら1日乗り放題のあおもりホリデーパスのおかげで2,520円で済んだ。

弘前駅前の宿に入り、八戸で買った駅弁で夕食を済ませる頃には既に午後8時を過ぎていた。
普通ならこの時間ではこの日の城巡りはもう終わりなのだが、次に目指す弘前城(100名城 No.4)では折しも弘前さくらまつりが開かれていて、期間中は22時までライトアップが行われているのだ。弘前城には7年前にも訪れていて、このライトアップもその時既に見ていたが、来たからには何度でも見たい。
タイミングのいいバスが無かったので徒歩約30分の距離を歩いて向かったが、折しも今回の旅でただ1回の雨。時に雷鳴が鳴り響く程だった。
弘前城三の丸東門
弘前城三の丸東門
20時47分、弘前城公園入り口の三の丸東門に到着。本丸入り口までは更に8分ほど要した。
弘前城の本丸に入るには入場料が必要だが、さくらまつり期間は21時を過ぎると入場券売り場がクローズし、無料で入れるという。ライトアップは22時まで行われるので、1時間もあれば十分だろう。私は22時になるのを待って、本丸へと足を踏み入れた。
弘前城は、津軽を平定した津軽氏が築いた城だ。江戸時代後期に櫓として再建された天守が今に残り、現存12天守の一つに数えられる。 ライトアップされた弘前城天守
ライトアップされた弘前城天守
弘前城天守の側に咲く八重紅枝垂
弘前城天守の側に咲く八重紅枝垂
桜の花は、染井吉野が既に散ってしまっていたが、遅咲きの八重紅枝垂や普賢象がちょうど見頃で、白壁の天守と漆黒の夜空を、濃いピンクが、薄いピンクが、鮮やかに彩っている。天気は生憎だが、雨そぼ降る中で見る城郭や桜もまた風情がある。 弘前城天守前に咲く普賢象
弘前城天守前に咲く普賢象
さて、前回訪れた時にはまだ集めていなかった100名城スタンプだが、生憎この時間は既に設置場所の天守が閉鎖されていて、この時は頂くことができなかった。ここには明日の朝また訪れる予定なので、その時に持ち越しだ。

アルファポリス

コメント(0)

コメントする

<新着記事>

Google

WWWを検索a-daichi.comを検索
お勧めメディア(Amazon)
なぜダライ・ラマは重要なのか