バス憧れの大地へ

日本100名城

100名城探訪記

根室半島チャシ跡群(2)―ヲンネモトチャシ

2023年6月3日

根室駅近くの宿で、日本で一番早い朝を迎えると、根室の空は昨日の夕方のどんより曇天とは打って変わって青く晴れ渡っていた。
朝の散歩でオホーツク海に最接近し、宿の朝食を頂いた後、午前8時前、根室駅へ。乗り継ぎ時間の都合で宿ではなく駅のコインロッカーに荷物を預けて、隣接する駅前バスターミナルに移動する。
同じ建物内にある根室市観光インフォメーションセンターも8時、営業開始。根室半島チャシ跡群(※チャシ=アイヌ語で『砦』『柵』などといった意味の人工的な施設)の資料や100名城スタンプはここで入手できる。昨日アツケシエト2号チャシを訪れていてチャシ跡攻城は既に済んでいたので、ここでスタンプを頂く。
そして8時20分、根室半島チャシ跡群の「本命」を目指して、日本本土最東端、且つ北方領土に一番近い本土・納沙布岬行きのバスに身を委ねて出発する。
根室市観光インフォメーションセンターの100名城スタンプ等
根室市観光インフォメーションセンターの100名城スタンプ等
四島のかけ橋
四島のかけ橋
バスは太平洋側の北海道道35号線を走って45分ほどで終点の納沙布岬に到着した。
納沙布岬自体も見どころ満載なのだが、今回私がここに来た最大の目的はまた別だ。北方四島返還を祈念する「四島のかけ橋」だけ訪れた後、私はその近くの食堂で貸し出されていた電動アシスト自転車(台数少なく競争必至)に跨って早速、納沙布岬から西へ2.5kmのその場所を目指した。

オホーツク海を右手に納沙布岬から西へ。海に一番近い道を向かい風と闘いながら自転車で15分ほど進むと、温根元漁港に到着。更に少し西に進むと、目指すヲンネモトチャシの駐車場があり、そこに自転車を停める。
ヲンネモトチャシは、根室半島チャシ跡群の中でも最も整備されて見学に適したチャシだ。確かに、草むらに覆われて標識にすら近づけなかった昨日のアツケシエト2号チャシに比べれば遥かに歩きやすい。
いざ、攻城開始。駐車場から海に向かって北上すると、ヲンネモトチャシの案内板がある。 ヲンネモトチャシの案内板
ヲンネモトチャシの案内板
ヲンネモトチャシの空堀と土塁と主郭
ヲンネモトチャシの空堀と土塁と主郭
そこから直角に右に曲がり、また海に向かって左折すると、空堀のような凹みに渡された階段がある。その階段を上がると、小高い土の丘の向こうにまた、空堀のような凹みが見える。更にその向こうに見える海に面した広場が、日本本土の城郭でいう「主郭」である。 ヲンネモトチャシの標識
ヲンネモトチャシの標識
タンポポが咲き誇るヲンネモトチャシ主郭
タンポポが咲き誇るヲンネモトチャシ主郭
主郭に行ってみると、本州では4月頃が見頃のタンポポが、6月の根室のチャシ一面に咲き誇っていた。
あちこち歩き回って、当時のアイヌの人々に思いを巡らせるが、さすがにこの主郭にどんな建物が建っていたのかは痕跡が無く、全く想像すら及ばなかった。そもそも砦だったのか、或いは礼拝所もしくは集会所だったのか――想像力が迷走するが、足元の構造物が空堀や土塁だと考えると、やはり砦だったのではないかと、城マニアなら思いたくなる。
さて、そろそろ行くか――いや、もうちょっと居たい...。
そんなことを2度ほど繰り返すほど、気持ちが引かれた「城」だった。 温根元漁港から望むヲンネモトチャシ
温根元漁港から望むヲンネモトチャシ
ヲンネモトチャシの全景を見ることができるのは、隣接する温根元漁港だ。但し、ここは関係者以外立入禁止の場所がある。根室駅の観光インフォメーションセンターでそのエリアの案内図が配布されていたので、立入禁止区域に入らないように配慮しながら、ヲンネモトチャシの全貌を港の端から望むと、「空堀」で区切られた「縄張」の様子を間近に見て取ることができた。
納沙布岬から自転車を走らせてヲンネモトチャシに到着・参観していた時は上空をどんよりとした雲が覆い、一時は小雨もあったが、温根元漁港からヲンネモトチャシを望む頃には、風と波は相変わらず強かったものの、雲はかなり晴れて青空も見えるようになっていた。 「本土最東端 納沙布岬」の碑
「本土最東端 納沙布岬」の碑
納沙布岬灯台
納沙布岬灯台
納沙布岬に戻り、納沙布岬灯台裏手にある、本土最東端の建造物・「野鳥観察舎」に入る。「野鳥観察舎」とは言っても、私がここに入った目当ては野鳥とは別にあった。
北方領土...
折しも天気が良く、オホーツク海の向こうには歯舞諸島、そして海上に浮かぶ貝殻島灯台が、肉眼でも認識することができる。 納沙布岬灯台から望む歯舞諸島と貝殻島灯台
納沙布岬灯台から望む歯舞諸島と貝殻島灯台
北方領土は、左から右まで日本の全政治勢力が奪還を願う日本の領土であるが、相手は現在進行形でウクライナを侵略しようとしている根っからの侵略国家だ。一筋縄ではいかないのが歯痒い。

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