須走8合目―山頂
2025年8月2日
午前2時あたりから、山頂での御来光を目指す登山客が出発の準備を始めてざわつき始めるが、そこにこだわっていない私は、目が覚めてはいるものの横になって休み続ける。
4時前、ようやく床を這い出して、朝食のお弁当を頂く。そして4時半すぎ、8合目からの御来光を期待して山小屋の外に出る。
朝食のお弁当
8合目・下江戸屋4時50分。この時期、富士山での日の出はそのあたりだ。しかし、東の空は昨日に続いて一面の雲。山中湖の上あたりが明るくなっているように思われたが、遂に日の出の瞬間を拝むことはできなかった。
山頂へ向けて、身支度を整える。昨日苦しめられた腰痛は、湿布と鎮痛剤のお陰で幾分良くなったようだ。念のため、昨日財布やスマートフォンなどを入れて腰に巻いていたウエストポーチをこの日は巻くのをやめてザックに収めて望むことにした。
5時19分、8合目・下江戸屋を出発。東に向いている山小屋の玄関を出た正面を見ると、日の出の時間よりも太陽の形が僅かにはっきりと分かった。
そして数分後、背後から光を感じたので振り返ってみると...
富士山の東、山中湖の上空に、雲越しに見えた太陽山中湖の上空に、未だ雲越しではあったが、太陽が東の空にその円形の輪郭をほぼ明らかにし、光の筋を幾つも地上に降らせている景色を見ることができた。
次の本8合目の山小屋・胸突江戸屋(上江戸屋)には8合目を出発して18分(コースタイム:30分)の5時37分に到着。ほんの少ししか歩いていないが、腰の不安があったため、ザックを下ろして少し休憩。
胸突江戸屋(上江戸屋)。チベットの旗は無くなっていた
ここの山小屋は2016年と2021年に来た時も休憩を取らせて頂いたが、私の大好きなチベットの国旗・雪山獅子旗やチベットの祈祷旗・タルチョが飾られていて私を喜ばせたものだった。しかし、この年来てみると、それらは一切飾られていなかった。チベット好きなスタッフがいなくなったのか、はたまたインバウンド登山客が増えてきた昨今の時代の流れで、"中華人民共和国"から来た登山客に"配慮"して飾らなくなったのか――いずれにせよ、至極残念である。
本8合目での休憩は11分と短めにして、5時48分、出発。ここまでは雲の外を歩くことができたが、少し上の9合目あたりは雲の中だ。また前日のように一面の霧や雨に見舞われないといいのだが...。
8合5勺・御来光館は素通り。そして歩き進むうちに案の定、霧(雲)の中に突入。9合目の小屋跡に着く頃には辺りは真っ白になっていた。
霧の9合目8合目から38分(コースタイム:50分)、9合目の小屋跡のわきで、もう一度8分間だけザックを下ろして休憩を取って、再び歩き出す。
霧(雲)の中を歩かされ、目標物がなかなか見えてこない。しかし、9合目から歩き始めて15分ほどで、傾斜の厳しい岩場の上に、人工物と人のような影が霞の向こうにかすかに見えてきた。間違いない。富士山頂の山小屋・扇屋と山口屋の前のテラスである。ゴールはもうすぐそこだ。
霞の先に富士山頂が見えてきた。6時58分、登山道の左右に設けられた狛犬たちが出迎えてくれた。こわもてではあるが「ようこそ富士山頂へ、お疲れ様です」とねぎらってくれているようにも思えてくる。
狛犬たちが出迎え
富士山頂に到着そして、ぴったり午前7時...
登頂!!
これで、9回目の富士登山挑戦で9回連続の登頂達成である。
暫く扇屋前のテラスで粘ってみたが、一瞬山中湖の形を確認できたぐらいで、山頂からの眺望はやはり雲に阻まれて殆ど見ることができなかった。
山頂からの眺望は雲に阻まれて見えず
富士山頂火口(お鉢)さて、いつもならここで富士山頂火口(お鉢)を1周する「お鉢巡り」をやるのだが、今回はネガティブな要素ばかりである。
・山頂が雲の中で、下界の様子をほぼ望めない
・お鉢巡りのコースは狭い部分、横が崖の部分が少なくなく、雲の中を歩くにはリスクがある
・腰にやや不安があり、万全な状態で下山するには行程を縮める決断も必要
以上のことを鑑み、今回は初めて、お鉢巡りをせずにこのまま下山することにした。
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