バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第2部 チベット東南部、大陸中国西南部

ギェルタン(シャングリラ)-1 ~チベット最東南端

注:ギェルタンとは、シャングリラ(香格里拉)の名で知られている街で、現状中国雲南省に属しているが本来チベットの版図に属する。

2007年6月13日

中国・雲南省の昆明から夜行バスで麗江、虎跳峡を越えると、そこは中国に不法占拠されて雲南省に組み込まれているものの、本来はチベットの版図である地域・デチェン(中国語表記では『迪慶』)である。
チベット最東南端に当たるこの地域の中心都市が、ギェルタンだ。中国の不法占拠を受けて長年「中甸」の名を押し付けられてきたが、2002年、イギリス人作家ジェームズ・ヒルトンの小説「失われた地平線」に描かれた理想郷「シャングリラ」がこの地であるとの考えから「シャングリラ(中国語表記では『香格里拉』)」と改名された。「シャングリラ」は元々チベット語であるが、この地名とて中国から押し付けられたものである(よって、このサイトでは『ギェルタン』の呼称を使用する)。

ギェルタンの古城内部
ギェルタンの古城内部
巨大マニ車と寺院
巨大なマニ車がある山上の寺院

バスターミナルから市街地の南側にあるデチェンチベットユースホステル(YH)に移動するが、バスの車窓から見える風景と人々はまさに、チベットそのものである。
YHのある所まではまだチベットの伝統とやや近代的な風景とが混在していたが、YH前の道を挟んで反対側は、瓦葺きの古めかしい家屋の並ぶ純チベット的な古城である。古城内にある、中国名で大亀山公園と呼ばれる山の上には立派なチベット仏教の寺院があり、その傍らにある金色の巨大マニ車が一際目立つ。
この街は、どこからどう見てもまさにチベットである。
ナパ海
牛やヤクが草をはむナパ海

市街地から少し郊外に出て、ナパ海を訪れてみた。
"海"という文字が使われていることからも分かるように、ここは湖なのだが、水があるのは雨季の春夏だけである。既に雨季に入っているはずなのだが、一面緑の草原で水はほとんど見られない。
しかし、この緑の風景が見事だった。
四方を山に囲まれた広い広い草原の中で、無数の馬、牛、そしてヤクが草をはんでいる。そして、鞭を片手に彼らを追う民族衣装をまとったチベット人女性の牛飼い ―― ここにもまた、チベットの風景があった。

ナパ海まではバス路線が無く、行き帰りともタクシー利用だったが、帰路の途中、派手なトラックの横転事故があって立ち往生。復旧まで時間がかかりそうだったし、ここから先は下り坂だったこともあって、ここでタクシーを下りて歩いて街中へ向かうことにした。
やはり「歩き」こそ私の旅のスタイルである。チベットの自然の光景を直に感じることができた帰り道だった。

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