アーグラー-1 ~タージ・マハル遠景
2007年8月24日
デリーを離れ、南東約200kmに位置するアーグラーへ向かう。10時20分発(実際には遅れて10時30分に出発した)JHELUM EXPRESSという快速列車を利用したが、ニューデリー駅を出てから暫くはノロノロ運転が続き、30分経ってようやく6km先のフマユーン廟を通り過ぎるというお粗末さ。デリー市域を出てようやく、快調に走り始めた。
14時10分、アーグラー・カント駅に到着する。
アーグラーもまた、ムガル帝国の都となった街である。そしてこの街を有名にしているのがほかでもない、インドが誇る世界遺産タージ・マハルだ。それ故に典型的な観光都市であり、観光客をカモにするぼったくりが多く、街そのものはツーリストの間ですこぶる評判が悪い。
特に評判が悪いのがリキシャだ。駅を出るや否や、リキシャワラー(リキシャの運転手)たちが声をかけてくるが、向こうから声をかけてくる奴は信用ならないと、私はそれを無視して暫く歩き、流しのオートリキシャを拾ってタージ界隈へ向かった(料金30Rs)。
宿は、屋上からタージがよく見えるというシャンティ・ロッジを選んだ。しかし、通された部屋は廊下に面した窓ガラスが大きく破れている。そこで、セロハンテープを破損した部分に貼り巡らせ、更に鏡台を移動させてふさぐ。これで安心して外出できるし、夜も安心して寝ることができる。
シャンティ・ロッジ屋上から見たタージ・マハル
早速、屋上に上がってみた。北の方に目を移すと、巨大な建築物が見える。
[あれが…タージ・マハルか]
まず目を引いたのが、その白さだった。手厚い保護と保全の賜物なのだろうが、300年以上のものとは思えないほどくすみの見られない大理石の純白がまばゆい。周りの建物が一様に赤もしくはピンクを基調にしていることもあって、その白さは一層際立っている。
そして、その大きさである。間近に見ている訳ではないので直には伝わってこないが、遠目からもこれまで見てきたフマユーン廟などとは桁違いに大きさが違うことがよく分かる。
後は間近で見るか否かである。
実はこのタージ・マハル、入場料だけでも250Rsと安くはない上にインド考古学局に支払うADAチケット500Rsが更に必要となるのだ。貧乏旅行者にとってはあまりに大きすぎる負担だ。
この屋上から見るタージだけでもかなり満足できたので、とてもではないが、わざわざ750Rsという大金を払ってまで入場する気にはなれなかった ―― 独りなら。
夕日に染まるタージ・マハル
シャンティ・ロッジ屋上は確かにタージがよく見える絶好のビューポイントである。しかし残念なことに、ここで経営しているレストランの店員が横柄で態度が悪く、私は飲料1本買うだけで悶着を起こしてしまい(具体的な理由は覚えていない、ということは些細な理由だったのだろう)、ここでだけは食事をするまいという頑なな気持ちになってしまっていた。
という訳で、夕食は同じエリアにあるHotel Kamal屋上でとることにした。ここもタージの前景を見ることができる。
やがて空が夕日に染められていく。すると、タージもそれを反射してピンクへと色を変えていく。余りに白すぎて周りから浮いているようにも思われたタージがこの時、夕空と、そして周囲の町並みにとけ込み、完全に一体となった。
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