バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第10部 ベトナム北・中部

ハノイ-4 ~文廟、ホアロー収容所など

2007年12月3日

素通りした軍事博物館の近くにもう一箇所、名所があった。11世紀創設のベトナム最古の大学跡・文廟である。
文廟
文廟
中国風の建築にも目を引かれたが、ここのポイントは敷地内に並ぶ漢字の刻まれた石碑だ。名前がたくさん書かれていると思ったら、官吏登用試験・科挙の合格者名簿だった。
科挙といえば中国だ。ベトナムでも科挙?とこの時は思ったが、科挙はかつてベトナムや朝鮮でも制度が模倣されていた、ということをその後知った。別に中国政府による科挙がベトナムで行われてた訳ではない。

昼、ちょっとホアンキエム湖畔に戻り、湖や旧市街を見渡せる国営百貨店5階のカフェで昼食。眺めは抜群にいい。但し、料理は思った通り高めで、1人で4ドルも使うという豪遊をしてしまった。しかし、この眺めを見るための代償と考えれば惜しくはない。節約も大切だが、たまにはこんなこともしないと旅が味気なくなってしまう。

ホアンキエム湖
ビルの上のカフェから見たホアンキエム湖
旧市街
ビルの上のカフェから見た旧市街

昼食を済ませた後、今度はホアンキエム湖南の新市街エリアに足を向けた。
ホアンキエム湖南には、ハノイタワーズと呼ばれる高層ビルが建っているのだが、その傍らにどこか暗い雰囲気の建物がある。
ホアロー収容所
ホアロー収容所の生々しい展示
暗い雰囲気のはずで、フランスが19世紀末に造った反仏ベトナム人収容所・ホアロー収容所だった。
現在では博物館として公開されているが、当時の様子を生々しく現在に伝えている。中でも拷問用具、そしてギロチンなどは、想像力を働かせてしまうと道具だけの展示でも目を背けたくなる。
ギロチン
ホアロー収容所で
使われていたギロチン
こんな悲劇は二度と繰り返してはならない。今後ベトナムが他国の侵略・支配を受けることがあり得るとすれば、中国以外にないだろう。万一そうなれば、チベットなどで人権が侵害されているだけに、悲劇の再来が懸念される。

ハノイ新市街の印象だが、旧市街とそれほど大きく変わることもない。道はそんなに広くなく、ちょっと古い家並みの並ぶ街だ。街路樹が多いのも印象的で、“緑”という点でもハノイの方がホーチミンよりも気に入った。

ハノイに着いてまだ2日だが、この日でひとまず区切りにして南下することにした。数日後にまた戻ってくることになるので、その時また、残した場所を巡ることにしよう。
ということで、シンカフェで予約した夜行バスで南へ向かうことになるが、17時半前にシンカフェに来てみると、バスは少し離れた場所から出るようで、バックパックを背負ったままバイクの後部座席に乗せられるという無茶なやり方でその場所に向かう。
18時半、ハノイを出発。夜行バスは慣れたものなのだが、どうにも首周りが痛い。と、前の座席を見ると韓国人ツーリストが飛行機でよく使われるU字型の空気枕を首に巻いている。それを見て、私は使われていない毛布を細長く丸めて首周りにマフラーのようにして巻いてみた。
 ―― いい感じである。
今度から、飛行機やバスなどで座って寝なければならないことが想定される時はあの枕を持って行くことにしよう。

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