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世界への旅(旅行記)

ジャワ島(インドネシア)、シンガポール

ジョグジャカルタ-4 ~ラーマーヤナ舞踊

ジョグジャカルタに戻る頃には、次のイベントにちょうどいい時間になっていた。旅行社にやって来たピックアップの車でインドネシアの伝統芸能ラーマーヤナ舞踊の会場へと向かう。

ラーマーヤナ舞踊とはその名の通り、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』を踊りで演じる芸能である。このあたりではプランバナンの劇場が有名なのだが、この日は開演されておらず、ジョグジャカルタ市内の別の劇場での鑑賞となった。
今回演じられたのは、ラーマ王の誘拐された妃シータ奪還のために派遣されたハヌマーンがラーヴァナ軍と戦うシーンや、奪還されたシータが火に飛び込んで貞操の潔白を証明するシーン…
――あれ?後者はどこかで聞いたことがある話だ。
そうだ。カンボジアのアンコール遺跡群の中にあるベンメリアで、そのシーンのレリーフを見たことがあった。

ハヌマーンたちのアクション
ハヌマーンたちのアクション
シータたちの踊り
シータたちの踊り

ハヌマーンを中心としたアクションシーンもあり、ハヌマーンのいでたちが京劇の孫悟空に似ていることもあって京劇を思い起こす一幕もあったが、音楽は京劇ほどけたたましくなく、むしろアクションシーンであってもゆったりとしている。題材が神話的要素を含んでいることもあるのだろう。英語で「ラーマーヤナ・バレエ」と呼ばれるだけあって全体的に優雅な空気が流れている。特にシータ役の女優の踊りが優雅であり且つ妖艶で、見る者の目を引き付ける。

先ほど訪れたプランバナンがラーマーヤナ舞踊の最も有名な劇場であるというのもよく分かる話だ。今やイスラムの勢力が最大となったこの地で最もヒンドゥーの名残りが色濃いプランバナンこそ、インド・ヒンドゥーの影響を強く受けているこの伝統芸能の聖地にふさわしい。
インドの影響を受けた舞踊と言えば、ベトナムのミーソンでアプサラダンスを見たことがある。このことからだけでも、当時のインドの文化の影響力、商業・交易圏の広さを窺い知ることができる。

明後日朝にはインドネシアを後にすることになる。私はラーマーヤナ舞踊の余韻から醒める間もなく、バックパックを背負ってトゥグ駅に向かう。
予定より遅れてやって来たジャカルタ行きの特急列車は、エアコン完備の立派な車両だった。スリーパー(寝台)が無いのが難点ではあったが、座席でも十分快適にジャカルタまでの車内泊を過ごすことができた。

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