高雄-2 ~左営蓮池潭
左営駅
高雄は、台湾高速鉄道(新幹線)の南の終着点だが、その発着駅は高雄駅ではなく、街の北側にある左営になる。前回、台湾第2の都市・高雄を「日本で言えば大阪」と比したが、そういうことなら左営は新大阪といったところか。
しかし、今回は高速鉄道には乗車しなかったので、交通の要衝としての左営の顔はMRT(地下鉄)の乗り降りの時に外からちらりと見た程度だった。
その代わり、その近くにある左営蓮池潭という湖はしっかりと訪れた。ここは、春秋閣、龍虎塔、孔子廟、玄天上帝神像ほか各種廟等の信仰の施設が点在する観光名所になっている。
左営蓮池潭の龍虎塔
中でも印象に残るのが龍虎塔だ。岸に近い水の上に、ツインの七重の塔が浮かぶようにして並んで建っている。そこに行き着くまでの橋はジグザグになっているが、これは聞いたことがある。キョンシーなどのような魔物が入って来ないようにするためのもので、中国共産党に乗っ取られた大陸の上海にある豫園でも同じような工夫を見ることができる。
そして橋を渡ると、中をくぐることができる龍と虎のオブジェが並んでいるが、左側の龍のオブジェをくぐって入り、右側の虎のオブジェをくぐって出るという順序を辿るのが鉄則。何でも、台湾では龍が最も尊い生き物で虎が最も忌むべき生き物とされているため、この順番でくぐるとご利益があるということらしい。龍が尊ばれていることは、お隣の春秋閣にも大きな龍のオブジェがあることからも見て取ることができる。
恐らくはいずれも20世紀に建立されたものではあろうが、ここには台湾の、中国の伝統が凝縮されている。
春秋閣
玄天上帝神像
湖の北側にある孔子廟近くの岸辺を歩いていると、ゲートが開いて外から観光バスが1台入ってきた。すると、バスはそのまま湖へと続くスロープを下っていくではないか。湖に突っ込んでいったバスは…
そのまま湖面を進んで行った。
よく見ると、バスの車体には「高雄 水陸観光車」と書かれている。
面白いのか?
意味があるのか?
余りに滑稽な光景に唖然としてしまった。さっぱり訳が分からない。確かに見どころの多い湖ではあるが、湖の上から見るものではないだろう。いずれの施設も陸から見て陸からアクセスすることを想定しているであろう施設なのだ。これも大陸からの観光客が大量に押し寄せてきた影響なのだろうか…。
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