バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ギリシャ、カタール、香港

ドーハ-4 ~ドーハ・フォートとラクダ

次の目的地はラクダ市場だった。ラクダは砂漠国カタールに於いて貴重な家畜であり、ドーハでも勿論売買が行われている。
しかし、事前にインターネットで調べておいたそれとおぼしき場所に20分程歩いて着いてはみたものの、そこにはだだっ広い広場があるばかりでラクダの姿は1頭も見当たらない。
時間に制約がある身としては、残念ながらじっくり探している暇は無い。私はラクダ市場を諦めて旧市街方面へ戻ることにした。
ドーハ・フォート
ドーハ・フォート

最初の目的地だったはずのドーハ・フォートは結局最後の目的地となってしまった。ラクダ市場(があるはずだった場所)からワディ・ムシェリブ・ストリートを西から東へと歩き、先程通ったジャシム・ビン・モハメド・ストリートを左折して北へ少し歩いたところ・・・
[もしかして・・・あれか?]
私が想像していたものとは少々違った城砦のようなものが見えてきた。私が勝手にドーハ・フォートに対して抱いていたイメージは、先ほどスークで見た建築物のような褐色の壁を持つ巨大な古めかしい城塞だった。しかし、そこに建っていたのは白亜の壁の小奇麗な、割と小ぢんまりとした城塞だった。
しかし、地図に書かれている位置からして間違いない。これがドーハ入りしてからずっと探し求めていたドーハ・フォートだ ―― しかし、余りに自分が(勝手に)イメージしていた姿とかけ離れていたため、
[この程度のものを求めて散々歩き回っていたのか?]
というがっかり感の方が先立った。そのがっかり感は、中に入れなかったことで更に増幅された。
ラクダたち
ドーハ・フォートわきの囲いの中にいたラクダたち
ラクダ
ユーモラスな表情を見せてくれた

と、ドーハ・フォートと繋がっている壁の向こうから、動物臭がする。もしやと思い、ジャンプして壁の向こうを覗いてみた。
[ラクダだ!!]
急いで壁の向こうに移動してみると、囲いの中にヒトコブラクダが20頭以上放されていた。皆のんびりと過ごしており、地べたに座り込んでいるか、立っていてもそのへんをうろつくようなことはせずにじっとしている。正面から見ていると、時折顔をゆがめるように崩してユーモラスな表情を見せてくれる。
この時は商売が行われている様子は無かったが、もしかするとここでもラクダの売買が行われているのかもしれない。
ともかくラクダにお目にかかることができたおかげで、ラクダ市場を見つけられなかった無念はここで完全に晴らすことができた。

ふと振り向いて後ろを見ると、広い駐車場がある ―― っておい、ここは・・・
先程旧市街を見つけて引き込まれ、道をそれた場所ではないか!
何のことは無い。先程きちんと注意して前を見ていれば、ドーハ・フォートとラクダの囲いは視界に入っていたはずなのである。何ともはや、目と鼻の先にあるものを見過ごして、随分無駄に歩き回ってしまったものだ。

まだ少々時間があったので、スークの旧市街に入って昼食をとる。思えば朝6時にドーハに到着してから水以外何も口にしていなかった。オープンカフェで頂いたのは、ナンで羊のミンチを巻いた中東料理。これがカタールで食べた最初の、そして最後の料理となった。
旧市街は、先程歩いていた時と比べて人通りも多くなり、少し賑わいを見せ始めていた。オープンカフェが店を開き始めると古式豊かな町並みにモダンな要素も追加されるが、これもまた古きものと超近代的なものとが混在するカタールらしい。
しかし、一歩路地裏に足を踏み入れてみると、そこにはモダンな様子が排除された純イスラム的な町並みだ。狭くて入り組んだ路地を歩いていると、迷路を歩いているようにも感じられた。

オープンカフェが営業を始めた旧市街
オープンカフェが営業を始めた旧市街
旧市街の路地裏
迷路のような旧市街の路地裏

摩天楼群の見える海辺近くに戻る。11時。コーランの放送が辺りに響き渡った。
アテネ行きの便は13時半発なので、そろそろ空港に行った方がいいだろう。まだイスラム芸術博物館カタール国立博物館、「ドーハの悲劇」の舞台となったアル・アリ・スタジアムなど見どころはあるが、時間の都合上それらは初めから諦めていた。
街中に出てようやく空港までバスが走っていることが分かり、戻りはそれを利用しようと思っていた。
しかし・・・
バス停が行けども行けども見つからない。そうしているうちに、無駄に時間が過ぎていく。

 時間が無い・・・
 バス停が見つからない・・・

採るべき道は一つだ。空港まで行くと30QRもかかってしまうが、この際仕方が無い。私はタクシーを拾って空港に向かい、出国審査をしてアテネへの便に乗り込んだ。

16年ぶりの中東だったが、余りに慌ただしすぎて少し雰囲気を味わえた程度にとどまった。いつかまたアラブのどこかを訪れてじっくりと中東の情緒に浸りたい。

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