バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

大陸中国・西安―河南―北京

北京動物園、頤和園 ~旅は道連れ・1

1993年12月25日

北京2日目の早朝、まずは北京動物園へ。
目当ては当然、元気に動き回るパンダ。彼ら(?)は夜行性で、私はこれまで真っ昼間に動物園を訪れては、寝ている姿ばかり見せつけられてきた。
「パンダを見るなら開園すぐに入場」の定石を、今回ようやく実践できた。
パンダ
元気いっぱい、動き回るパンダ

3年前に上海でも、ノソノソと動くパンダを見たが、やはり早朝のパンダは元気さが違う。活発にあちこちを歩き回り、「キャンキャン」と声を出して、取っ組み合い(いやじゃれ合い?)をしたりしている。寒さで縮こまっている私とは、えらい違いだ(全く、あの毛皮がうらやましい)。
しばらくパンダに目を向けていたが、ふと横を見た後、私の視線は1人の人間に向けられた。
私と同じ年頃のその男性は、一眼レフと「地球の歩き方」を持っている。私も「歩き方」は持っていたので、それを名刺代わりに、彼に声をかけた。
彼はH君といい、私と同い年で、某メーカーに勤める会社員だった。明日には北京を発つ予定で、今日1日、急ぎ足で観光地巡りをしているという。
「あと見たい所は、頤和園と天壇公園かな。あと、友誼商店で土産物を探そうと思ってる」
となると、彼と行動を共にすれば、前日たてた計画は、早くも崩れてしまう。
しかし「旅は道連れ」と言うではないか。それに、ここ数日、日本人と接していなかったので、母国語での会話にも飢えていた。
私は今日1日、彼と行動を共にすることにした。
頤和園は、動物園からさらに西北に行った郊外にある公園だ。
ここに来た人はまず、その規模の大きさに驚くことだろう。西太后がその修復のために莫大な金を出費したことが、日清戦争の敗北につながった、 氷が張った頤和園の昆明湖
人が乗れるほどの氷が張った頤和園の昆明湖
というのも大袈裟な話ではない。確かに、立派な建造物が幾つも建っている。そして、敷地の4分の3を占める昆明湖にも、目を見張るばかりだ。
しかし、私たちが驚いたのは、そのスケールの大きさばかりではなかった。
「冬の華北は寒い」というのは、少々風邪をひいたりしていたこともあって、分かってはいたのだが、ここで見た光景に、そのことをまざまざと実感させられた。

湖の上に人が乗っている!

水面には、分厚い氷が張っていたのだ。その上を、人が歩いたり、スケートをしたりしている。
好奇心旺盛な私たちも、無論その上に足を踏み入れた。確かに丈夫な氷だが、踏むたびにミシミシという音がする。これだけ大勢の人が乗っているのだから、まさか割れるということはあるまいが、間違って足を滑らせて転んだりでもしたら…などというスリルもあって、面白い。
そして、肝心の文物の方は…恥ずかしながら、あの旅から6年半もたってこの文章を書いている今、氷のことばかりが印象に残っていて、余り記憶に無い。

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