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世界への旅(旅行記)

アジア周遊第6部 北インド

ブッダガヤ-2 ~悟りの地・マハボディー

2007年9月13日

セーナー村からブッダガヤの街に戻り、マハボディー寺院(大菩提寺)を訪れる。
マハボディー寺院
マハボディー寺院
境内には、アショカ王が建立した寺院、その中に安置された金色の仏像、沐浴の蓮池に浮かぶブッダの像などが見られる。これらも悪くないが、ここを語る上で欠かせないのは、寺院の後ろにひっそりと立っている一本の木だった。菩提樹の木である。
この木のある場所こそが、シッダールタが悟りを開き、仏陀となった場所であり、現存するその木は、仏陀がその根元に座した菩提樹の末裔なのである。ちなみに、「マハボディー」の「ボディー」とは「菩提樹」の意味で、その呼び名はブッダの別名に由来するという。
私の気持ちを強く引き始めていた仏教が、まさにここから始まったのだ ―― そう考えると、感慨もひとしおである。
参詣者たちは仏像や菩提樹を拝んだり、境内をコルラしたりして、ここで悟りを開いた賢者に対する敬意と信仰を示している。
大勢の僧侶の前で説法をしている高僧の姿も見られた。ブッダの教えはこうして後世にまで脈々と語り継がるのである。

菩提樹
シッダールタが悟りを開いた場所に立つ菩提樹
説法をする高僧
説法をする高僧

ブッダガヤは基本的にひなびた田舎の村なのだが、中心寺院であるマハボディー寺院門前街はさすがに賑わっている。
しかし、昨日までいたバラナシのようなエネルギッシュな活気には欠けている。仏教とヒンドゥー教の性質そのものの違いということもあろうが、インドでは廃れてしまった仏教とインドの中心的宗教となったヒンドゥー教の勢いの差を表しているようにも思え、少し寂しい気分になった。

<後日談>
2009年になってようやく知ったことなのだが、仏教の聖地であるマハボディー寺院は20世紀末期までヒンドゥー教の管理下に置かれていたという。日本出身の佐々井秀嶺師を中心に仏教による奪還運動が進められ、現在では大菩提寺管理委員会は実質的にインド仏教徒の手によって運営されているというが、まだ規約は改正されておらず、完全奪還には至っていない。

参考書籍:「破天」 (山際素男 光文社新書)

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