バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第6部 北インド

ラージギル ~苦行の地

2007年9月15日

ブッダガヤから北東65kmほどの地点に、ラージギルという場所がある。
ここは2500年ほど前のマガダ王国の首都であり、ゴータマ・シッダールタが苦行を始めた場所、そして、悟りを開いて仏陀となった後に、竹林精舎が築かれ、彼が弟子たちに教えを授けた場所でもある。

ブッダガヤからオートリキシャ・バスと乗り継いで約3時間。バスを降りて南へ暫く歩くと、その竹林精舎の跡が、日本山妙法寺の近くにある。
今は公園として整備されていて、長方形の池のほとりにブッダの像が見える風景の方が目に付きやすくなっているが、ここの真価はやはり、名前にもなっている"竹林"。この竹林で、ブッダは弟子たちに教えを授けたのだろうか。

竹林精舎
竹林精舎
日本山妙法寺
日本山妙法寺

それから、上記の日本山妙法寺を訪れる。白い堂と仏像がまばゆいばかりの寺だ。寺院内部では広島・長崎に関する展示も行われている。世界平和を訴えていくことも、今や仏教の重要な使命になっている。
グリットラクータ山とラトナギリ
グリットラクータ山[右奥]とラトナギリ[左]

さて、この街のもう一つのキーワード・「苦行の開始」。シッダールタが苦行を始めたのは、竹林精舎のあるエリアから更に南へ行った場所にある、グリットラクータ山(霊鷲山)。現在では、日本山妙法寺によるビシュワ・シャンティ・ストゥーパ(世界平和塔)が建つ、隣接するラトナギリ(多宝山)とともにラージギルの仏教名跡となっている。
私も勿論、この山を歩いて目指したが、持っていた地図がいい加減で、登る山を間違えてしまう。それに気づいたのは予期せぬ方向にビシュワ・シャンティ・ストゥーパが建っているのが頂上から見えた時だった。
山を下りて改めて、グリットラクータ山に向かう。ストゥーパの見えた方向に足を進めると、白く大きな山門に「多寶山佛舎利塔」「常在霊鷲山」と、ご丁寧に漢字で書かれている。最初からこの門を目印とすべきだったのだ。
山門
この山門を目指すべきだった

山門をくぐってもう少し歩き、ようやく目指す山の麓にたどり着いた。しかし、日差しの強い中を違う山に登ってしまった時点で、私にとっては既に十分な"苦行"になってしまっていた。熱射病に近い状態になってしまい、山の麓までは来たものの、もう山登りをする気にはなれない。リフトもあったが、時間が悪くチケット売り場が閉まっている。

(もういい。シッダールタの苦行の場が分かっただけでも十分だ…)

6年も苦行を続けたシッダールタとは程遠い、軟弱ぶり。
"スジャータ"を求めて、私はブッダガヤへの帰途に就いた。
ところが、帰りのバスで変な場所で下ろされてしまう。暫くブッダガヤに向けて歩いてみたが、全く近づく実感が無い。それに、先ほどの暑さ疲れがまだ残っている。結局、オートリキシャの世話になってしまった。

ブッダガヤの宿に戻ると停電。どうやら近所全体が停電のようで、インターネットもできない。真っ暗な中、「新銀座」で蝋燭を頼りに夕食をとる。
「こんばんは」
近くの席にいた若い日本人女性が声をかけてきた。ミワという東京の大学生で、話を聞いてみると私がいない間に同じドミトリーに入ってきたようだ。
美味しい料理と、ハキハキしていて可愛い彼女との会話が疲れを癒す。料理は彼女が差し出してくれた訳ではないのだが、私にとっては最高の"スジャータ"出現となってくれた。

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