バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第5部 北インド、パキスタン

フンザ-3 ~ウルタル挑戦・第1回

2007年8月13日

ウルタルトレッキング案内図
ウルタルトレッキング案内図
(クリックで拡大)
ウルタル カリマバードの背後にそびえる、ウルタル。見るからに険しそうだが、実は結構手軽にトレッキングを楽しむことができる。初日に泊まった宿の情報ノートに書かれていたウルタルトレッキングの地図(とんでもない宿だったが、これだけは役に立った)を書き写した私は、それを頼りに取りあえずウルタル氷河を目指してミニトレッキングに出かけてみた。
「1人でも行ける」という評判もあったが、さすがにトレッキングとなると1人では少し不安だ。同じ宿の日本人1人に声をかけてみたが当日体調不良で、結局1人で出かけることになってしまった。

出発点は、かつてのフンザ藩王の居城だったバルティット・フォート。ここから途中までは、(1)川沿いを行くコース(2)迂回して果樹園・水路沿いに行くコース ―― の2つの行き方がある。
私は最初、果樹園・水路ルートを行こうとしたが、入り口を見落として全く違う普通の道を歩いてしまった。間違いに気づいたところでバルティット・フォートに引き返し、今度は川沿いのルートを進む。
ところがこちらのルートは川が増水しており、とてもではないが歩けない状態だった。私は再びバルティット・フォートまで戻った。 バルティット・フォート
バルティット・フォート(山の上から)

このまま宿に戻るつもりにしていたところ、出発点でたまたま出会った、現地ガイドを伴った西洋人2人に「一緒に行こう」と誘われ、もう一度チャレンジしてみることにした。
途中までは同じ道をたどったが、川に架けられた丸木橋を渡ったところからコースを外れた。上記の案内図には「この橋を渡ってはいけない!」と書かれていたので気になりはしたが、取りあえず彼らに着いて先へと足を進めた。
急な坂道を上った先は、道すらろくにない斜面を歩く。その先には草むらが行く手を遮るように横たわっていたが、彼らはその草むらのなかをずんずん進んでいく。
朝っぱらからこっちの道は違う、そっちの道は歩けないと、散々ウロウロしてテンションが下がっていた私の気分は、ここでついに萎えてしまった。それに、このコースを進むと目的のウルタル氷河とは違う方向へ行ってしまいそうな気がした。
「悪い。俺引き返す」
山の上から
この日のトレッキングを断念したポイントからの風景
私は彼らにそう告げ、ここでこの日のトレッキングを断念。まだ正午前だったが、今からウルタル氷河を目指していては日が暮れてしまう恐れがあったのだ。
その場所で暫く谷の方向を眺める。いい眺めなのだが、そこに見えるはずのラカポシ峰は雲を被っていたし、何より私の心が曇ってしまっている。余り感動することもできず、正午、来た道を引き返し始めた。

しかし、このままウルタルを諦めることはできなかった。私は翌日の再チャレンジを期し、もう一度果樹園・水路ルートを探してみることにした。
よくよく案内図の写しを見ると、「家々の間をぬうように」と書かれている。探してみると、それらしき横道の入り口が見つかったので先に進んでみると、果たして水路に行き当たった。間違いない。この道である。
[明日こそは…]
決意を新たに、この日は宿に戻ってゆっくりと体を休めた。

夜になって、事件が発生した。
同じ宿に泊まっている韓国人の女の子が「ノートに挟んであった100ドル札が無くなった!」と言うのである。
単なる紛失なのか盗難なのかは定かではない。貴重品の管理の仕方に問題があったのは確かだが、普段はお茶目で元気な彼女が「私、バカだった…」としょげ返っている姿を見ているとやはり気の毒に思えて仕方がない。
夜空の見えるテラスで、他の宿に泊まっていながらなぜかHaidar Innに頻繁に顔を出しているマサキが彼女に声をかける。
「この星空に100ドル払ったと思いな」
香港の夜景が100万ドルなら、フンザの星空は間違いなくそれと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上の価値があるかもしれない。そう考えれば、100ドルならむしろ安いくらいだ。
少しずつではあったが、彼女の表情に明るさが戻り始めていた。

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